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千年を繋ぐ宮大工の知恵

08 6月

目から鱗
  我が地区は、県の指定により「住教育」について二年間考えることになっている。県下17市町の全てが何らかの研究をすることになっているが、勝山では我が地区がこの指定を受けることにした。というよりも、勧められたと言った方が正しいかもしれない。

水車型のプランターを見ながら三人で話し合い。いろんな話題が飛び出してとても楽しい時間を持つことができた。

  「住教育」と言うと少しオーバーな気がする。「住」を頭に置いて暮らしやすさ、豊かさ、生きがいなどを考えるといった方が正しいかもしれない。私としてはこの研究を通して、「地域に誇りを持ってもらいたい」と思う。子ども達には、片瀬を「ふるさと」と思ってもらえればと思っている。

  午後3時頃、県の土木部建築住宅課のSさんと市内の建築士会のIさんが私の事務所へやって来た。三人で、今度の事業の取り組みについて話した。最初に、小学校で行う住教育「宮大工による本物体験講座」に話が及んだ。

  6月13日に鯖江市の豊小学校で行う本物講座のテキストを見せてもらった。このテキストのイラストは全てSさんが手描きで描いたという。少しでも子ども達に興味を持ってもらおうという気持ちで手描きしたのだという。その心意気に脱帽。

  テキストには、薬師寺三重塔とスカイツリーの比較がなされていた。超近代的なスカイツリーの地震対策に、薬師寺三重塔の心柱の原理が使われているのだという。コンピューターも重機もなかった時代に耐震性の高い建物を建て1,000年余りも倒壊せずに持ちこたえていたのだ。

Iさん達が作ったという水車型のプランター。三段に花を植えることができる。

  そういえば、これまで大きな地震が何度もあったが、五重塔や三重塔が倒壊したという話を聞いたことがない。すごいことではないか。1,000年以上も前の宮大工の知恵がスカイツリーに使われているとは。

  Sさんが持参した資料を読んでいて、五重塔や三重の塔を、5階建ての塔とか三階建ての塔と言わない理由が分かった。それは、独立した一階建ての塔が重箱のように五重や三重に重なっているからだという。そして、それらの真ん中に心柱が通っているのだ。

  各階はそれぞれが独立していて互いにつながってはいないし、心柱ともつながっていないというのだ。そのため、地震に対しては、揺れを吸収し、倒壊しないというのだ。素晴らしい知恵ではないか。

  昔の宮大工のこうした知恵はどうして培われたのだろうか。おそらく、長年の経験から割り出されたものだと思う。コンピューターによってシミュレーションすることもなく、しかも、木造建築で耐震性の高い建物を建築し続けた宮大工の知恵を、なんとしてでも後世に残さなければならないと思う。

  本物体験講座で小学生がどのように感じるのだろうか。秋には南小学校でもこの講座は開催されることになっている。是非とも、私も宮大工の技をこの目で見たいと思う。

  いろんな話が合ったが、先ず入り口としては、竹のプランターと木のプランター作りから始めてみたいと思った。子どもから高齢者までがこの運動に参加してもらえればと思う。建築士会の支援も得られそうなので、村の人も前向きで取り組んでもらいたいと思う。

今日我が家の前庭に建てた竹のプランター。余った竹を使ったので底のないものもある。

(日記 午前中、少し童話を書く。その後、竹のプランター作り。竹が余っていたので、いろんな長さのプランターを6本作った。底のない竹でも作った。底のない竹のプランターは直接地面に押し込んだ。その後、精米。午後3時から県の土木部建築住宅課のSさん、勝山市の建築士会のIさんと、片瀬で行う「住教育(私は住を念頭に置いた暮らしやすさだと理解している)」について意見交換をした。楽しい時間だった。我が村でなにをどうすべきか、ゆっくり考えてみたい。)

お隣さんの竹のプランター。

 
 

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