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自分の頭で考える

05 3月

自分の言葉で語る
  先日、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀“夢の旅客機 パイロット”早川秀昭』を放映していた。世界の注目を集める新型旅客機ボーイング787の世界初就航に向けたプロジェクトの最前線で頑張るパイロット・早川秀昭に密着した番組であった。

 早川氏が担う任務の一つが、就航までに機体に不具合がないかをチェックすることだ。新型機の就航まであと3週間と迫る中で行われた、実際の機体を使った70回以上にわたるフライトで、機体の不具合を徹底的にあぶりだすということだ。

  早川氏は、は「99.999パーセント機体が完成していても、膨大な部品の数から言ったらどこかが壊れているはずと思う自分がいる。機械だから信頼はするが、絶対とは思っていない」と強く語っておられた。

  新型機導入にあたって、より安全性を追求するための、パイロットを訓練する考え方についてとても頼もしく思った。早川氏が行った訓練は、実際に就航している路線を想定し、複数のトラブルが予測できない形で発生するという設定の厳しい訓練だ。

  そして、私が同感だと思ったことは、早川氏の発言だ。「より実践的な訓練でパイロットたちに単なる知識ではない、“考える力”を身につけさせるのがねらいだ。」と言っておられることだ。

  今の教育に最もかけているのは、“考える力”だと思う。今回の原発事故に対して、官邸以下、東電の担当者、専門家と言われる学者も含めて、一体全体何人が自分の頭で考えて行動できただろうか。自分の言葉で発言できたのだろうか。

(このブログを書いている最中に、テレビで南相馬市長の桜井市長が東電に対して「東電に対して最初から99%信じていない。特に経営者を全く信じていない」と言っておられた。マニュアル的な対応すら出来なかっただろう。)   

  危機に際して、マニュアル人間は役に立つだろうか。私の答えは「ノー」である。それは、事故がマニュアルが想定しているように発生するとは限らないからである。

  「考える力」がなければ、危機に際して正しく行動できないからである。早川氏の新型旅客ボーイング787に対するパイロット訓練では、787のシュミレーターで想定できないような複数の機体トラブルを発生させて、それに自分で考えながら冷静に対処させようとしているのだ。

  「考える力」、これは21世紀を生きる人間に最も必要な力だ。マニュアルは、考えなくてもよいように一定の想定の元に考えられている。これからの時代、想定通りに事が運ばない方が多いと思う。

  教育の世界でも、「考えることの出来る人間を育てる」ことが急務だ。しかし現実には、考えるよりも、結果を覚える教育が蔓延しているように思えてならない。早川氏の番組を途中ながら録画したのは言うまでもない。

農薬に頼らない野菜作りの知恵が詰まった本だと思う。

(日記 午前中、済生会病院へ。その後、家内とショッピング。本屋で『農薬に頼らない-病害虫駆除ハンドブック』をかった。農薬をなるべく使わない農法について書かれた本だ。ニラとの混植で病気を防いだりする農家の知恵が詰まっている本だと思う。帰宅してから創作紙芝居『白山平泉寺物語』の追加の絵を描いた。午後7時半から久々のオカリナ教室。楽しい時間を持てた。)

 
 

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