地域の活性化を目指して
既存の青年会、中年会、壮年会、老人会、婦人会などの団体には地域でそれぞれ為すべき活動や行事がある。従って、これら既存の団体に過大な期待をしても無理だ。その上、役員は、短期間に次々と変わるので活動の継続性にも問題がある。
おまけに老人会を除くとほとんどの団体の構成員は仕事を持っているので、通勤時間や忙しさもまちまちで様々な活動をしようにも、時間的に制約がある。
そこで、地域の活性化を願うとしたら、こうした団体と任意団体との協力が不可欠ではなかろうか。既存団体の代表を集めて何か特別な委員会を作っても、代表は短期間に交代するので、継続的な活動には向かない。
このように考えると、共通の目的を持った者が集まってつくる任意団体は地域の活性化に大きな力を発揮するのではなかろうか。先般、滋賀県米原市の上丹生の『チューリップ祭り』を見に出かけたが、ここでの「Kプロジェクト」は参考になる団体だと思った。
私も、長い間、『勝山郷土研究会』の名で広域的に活動しているが、今度は60数戸の私の地区で「まちの活性化」に向けた取り組みを新たに始めたいと思う。すでにやっている活動としては、“片瀬銭太鼓保存会”があるが、これはまだまだ十分な活動ではない。
私はこの団体は、農業の後継者不足のために作った「農事組合法人かたせ」と密接な関係にあると思っている。私達は、村自体を持続可能にするために、この組合を存続させなければならないと思っている。
この組合の主力となる生産物は「米」である。この米に付加価値を付けて販売しなければならないと思っている。乾燥施設も自前で持っているのだから。
これからは、安い米がどんどん外国から入ってくる可能性があるからである。これらと勝負するには差別化を図らなければならない。
生産から、少しでも化成肥料を減らし、農薬も少なくしなければならないと考えている。完全な有機米とはいかないまでも、味と健康面での差別化を図らなければならないと思っている。
こうした米を販売するにあたり、「かたせ」という地区名をブランド化しなければならないと思っている。ブランド化するには「かたせ」の名を冠したものに信用がなければならないと思う。
そして、何よりも、私達区民が生き生きとしていなければならないと思う。そんなことを考えると、私達は自ら生き生き活動できる任意団体を作ってみたい気がする。
大般若会のあと前区長のTさんと立ち話をしながらそんなことを考えていた。というのも、現在、既存団体の多くは役所、公民館、地域などからの下働きや動員が多く、「活動をする」と言うよりも、「活動をさせられる」ことが多くなっているのだ。
地域が町で連合体を作り、町が市で連合体をつくり、さらに県……と、どんどん組織が大きくなり、下部の団体は自主活動どころではなくなっている。そのため、市の団体が崩れ、町の団体が崩れ、場合によっては地区の団体までなくなっている。
勝山市ではこうして、市の連合婦人会はなくなり、町でもなくなりつつあり、地区でさえも婦人会がないところが少なくない。壮年会や青年団も市の連合体にはごく少数の地域しか加盟せず、連合体の体をなさなくなってきている。
こんな状態では団体活動は、停滞するばかりである。今こそ、「自ら活動できる団体」を作らなければならないのではなかろうか。自分たちのやりたいこと、楽しいことをやりながら、その延長上にまちづくりがあるような団体が望まれる。
「下請け会社になっている団体」、「活動をさせられる団体」では、地域の活性化は望めそうもない。私自身は、「いくつかの団体」を作っているが、今度は自分の村で「団体作り」にチャレンジしてみたい。
(日記 午前4時50分起床。早めの朝食を食べて午前5時半に『猪野瀬地区自衛消防隊合同訓練』が我が片瀬区で行われるので訓練本部となる村の公園近くの道路へ行く。地元区長として、「……訓練を開始します。」と区長会長に報告して訓練が始まった。我が区からは、自衛消防隊、消火栓班、婦人消防隊の三隊が参加した。約1時間ほどで訓練は終わり、地元区長として謝辞を述べた。その後、村の役員だけでプランター用の竹を切った。3分の1は大工さんに門松のように切っていただいて、工作のできないお年寄りなどに花苗と共に配布する予定だ。その後、しばらく休憩して村にある曹洞宗の仏母寺の大般若会に出席。午後は紙芝居印刷用の厚紙を切った。しばらくして、村のTさんに朝切ってきたプランター用の竹
を取りに来てもらい、我が家の玄関先でプランターにしてもらった。私は手伝いに徹した。本人に作ってもらうのが一番いいと思ったからだ。早朝から、かなり忙しい一日だった。今日は「父の日」。3人の子どもからそれぞれ今の季節にぴったりのシャツが送られてきた。ありがたい。午後8時過ぎから横浜に住む長男家族とウェブカム。1月に生まれた長男の娘(3番目の孫)もかなり大きくなってきた。その分こちらは年をとるということか。)
寺田幸彦
2012年6月20日 at 6:10 PM
上丹生のプロジェクトKは11年前に誕生しました。
ことの発端は当時の米原町の”まちづくりホットプラン事業”でした。
当時話題になった”ふるさと創生事業”で町に分配された一億円を米原町は上手に運用して二億円にまで増やしました。
そして平成の大合併を前に、その資金を各自治区に分配しました。
それぞれの事業内容に応じて、最高1000万円までを補助する制度でしたが、期間は三年間と限られていました。
上丹生ではこの補助金を活用してグランドの整備、炭焼き窯の製作、花いっぱい活動などを行ないました。
この三年間は、自治会から命を受けた団体という位置付けでプロジェクトKが存在していたと記憶しています。
補助期間の三年間が終わった時が大きなターニングポイントだったと思います。
補助金以外に財源を持たない多くの地域(団体)は、三年で活動を終了せざるを得ない現実がありました。
しかしプロジェクトKは、幸いにも炭を活用したインテリア商品などの販売で自主財源を持っていた事や、せっかく芽生えたまちづくりの芽を摘んでしまうのはもったいないという想いを持つメンバーがいたから今日まで続いています。
ただ会の位置付けは四年目から大きく変わりました。
自治会はプロジェクトKには全く関知しなくなりました。
住民の方の中にも、勝手に炭を焼いて資金を稼ぎ、好きな事をやっている団体と批判的な噂も耳にしました。
そうした一部に批判的な声もありましたが、上丹生をもっと良い村にしたいという熱い想いがあって今日まで続いてきました。
正式な会則も無く、NPO法人でも無いプロジェクトKは、自由で臨機応変に活動できる反面、何時空中分解してもおかしくない状況にもあります。
一時期、自治会との連携も考えましたが無理に連携する必要も無いと思います。
勿論自治会も村を良くしようと頑張っておられます。
一年という任期をできない理由にされたり、過去の慣習を変える事を嫌ったり、もっとこうしたら良いのに・・・と思う事はありますが、相手の出来ていない点ばかりを批判するのでは無く、
認め合う事も大切だと思うようになりました。
山さんが言われていた「思い付きへの戒め」や「現状を良く調べる」のは大切な事と思います。
山さんにはプロジェクトKの会長に是非合ってもらいたいと思っています。
山さんに負けない位に多方面に活躍されています。
人の意見をよく聴かれ、良い意味で若い世代を上手にコントロールされています。
今年は自治会長で無理かも知れませんが、何時か任意の団体を作られる事を期待しています。
Norio Yama
2012年6月21日 at 6:57 PM
「上丹生のプロジェクトK」誕生の経過がよく分かりました。
自治会から指定された団体が自主財源を持っていたために今も続いているということは素晴らしいですね。
「自治会」と「プロジェクトK」がそれぞれ独立してるということも素晴らしいことではないでしょうか。その上で、どちらも地域の活性化に向けて活動していることはよいことではないでしょうか。
そうでなければ長続きしないと思います。勝山市でも、既存団体は活動がどんどん停滞し、消滅しています。
是非とも、「プロジェクトK」の会長さんにお会いしたいですね。
きっと得るところがたくさんあるのではないかと思います。今年中に実現したいですね。
Norio Yama
2012年6月21日 at 6:57 PM
「上丹生のプロジェクトK」誕生の経過がよく分かりました。
自治会から指定された団体が自主財源を持っていたために今も続いているということは素晴らしいですね。
「自治会」と「プロジェクトK」がそれぞれ独立してるということも素晴らしいことではないでしょうか。その上で、どちらも地域の活性化に向けて活動していることはよいことではないでしょうか。
そうでなければ長続きしないと思います。勝山市でも、既存団体は活動がどんどん停滞し、消滅しています。
是非とも、「プロジェクトK」の会長さんにお会いしたいですね。
きっと得るところがたくさんあるのではないかと思います。今年中に実現したいですね。