「地区に対して何ができるか」
夕方、用事があって集会所の前にある「村の案内図」の前で仲間と待ち合わせをした。「村の案内図」には、村の各家々の世帯主の名前が書かれている。
時間があったので、その案内図を眺めて驚いた。一人暮らしの家庭があるのは知っていたが、増えている。高齢者の二人暮らしも増えている。そして、三人家族も少なくない。60過ぎの夫婦とその親の一方がいる場合には、ほとんどの場合、親は介護が必要だ。
私の村では、かなりの高齢化が進んでいる。そんなに市街地から離れている訳ではないが、若者が都会へ出たままそこで定着してしまうことも少なくないのだ。勝山の場合、過疎化になるのは市街地かどうかはあまり関係がないようだ。
例えば、役所界隈では子ども達は激減している。左義長の子ども囃子コンクールに参加できない地区も出てきているのだ。持続可能なまちを作るために、何をどうしなければならないのだろうか。
私は、市全体としては働く場の確保が最重要課題だと思っている。働く場のなさが致命的ではなかろうか。勝山市の若者の多くは、福井方面へ働きに出ているようだ。
しかし、冬場の通勤は必ずしも容易ではない。我が太鼓グループの女性も冬は福井で下宿しているぐらいだ。凍結した道路を通って通勤するのは、かなり危険だし、時間もかかる。
いっそのこと、福井に近いところへ出た方が楽ではないかと考えても無理はない。地域にあまり愛着心がなければ故郷を離れることに抵抗はなかろう。
私の持論だが、「我が家あって、ふるさとなし」の若者が増えているように思う。私は、新年度から地区の運営の一端を担うことになった。派手に行事をやるよりも村を大切にする人を増やしたい。
私の目標は、区民が「住んでよかった」と言える片瀬にしたいということだ。鍵を握るのは、子どもや若者達だ。なぜなら、10年、20年先に地区を担うのは紛れもなく彼らだからだ。
彼らに、若いうちから、村の一員としての自覚を持ってもらいたいと思う。難しく考えるのではなく、年齢に応じて地区と関わってほしいのだ。地区の家ベントに積極的に参加してほしいしが、その前に地区のイベントを盛り上げるために何ができるかを考えてほしい。
小学生でも、中学生でも地区をきれいにするために、「何ができるか」、「どこをどうすべきか」を考えてみてほしい。子どもなりにできることを考えてくれればそれでいいのだ。きっと何かは見つかるはずだ。
周囲の大人達は、子ども達がよいことをしてくれれば大いに評価してやってほしい。区民がみんなで、地区をよくするために力を合わせることができるかどうかだ。少しずつでも成果が見えれば次へのやる気に繋がるだろう。
「一人はみんなのために、みんなは一人のために」を、スポーツだけではなく、まちづくりにも生かせないかだ。地域への愛着心を持ってもらうことができるかどうかだ。「住んでよかった」と言える地区を作るために、小さな一歩からでも始められればと思っている。
(日記 午前中、退職旅行(海外旅行)のための準備。午後は、市内の楽器店で、CD2枚と本一冊を買った。その後、家内と買いに出かける。夕食後、仲間と農業やまちづくりについて話し合う。)