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Archive for 1月 19th, 2012

マリオネット

19 1月

糸の多すぎるマリオネット
   マリオネットは、日本では糸を使う操(あやつ)り人形のことだ。人形や動物の何カ所かに糸をつけてまるで生きているかのごとく操作するのだ。名人の技はとても素晴らしい。また、人形は、現実の人間では出来ないような技を繰り出したり、ユーモラスな動きをするのだ。

   見ている者は、人形の動きに引きつけられてしまう。演者は、この人形に一定の数の糸を付けて、それらが絡み合わないように操作するのだ。もしもこの人形に必要以上の数の糸が付いていたら、糸が絡み合って人形は思うようには動かないだろう。

   今の政界を見ていると、糸の多すぎるマリオネットのようだ。野田内閣は身動き出来ないように見える。演者は、「増税」という演目を演じようとしているが、人形に付いている糸が多すぎて、それらが絡まり合い、身動きできないように見える。

  「増税だ」という糸もあれば、「公務員改革が先だ」という意見もある。「国会議員の定数を減らせ」という意見に対しては、納得できる政党もあれば納得できない政党もあり、簡単に決まりそうもない。

   「原発」という演目にも悪戦苦闘している。人形を前へ動かそうとする糸(企業や電力会社、一部の議員)もあれば、「安全が確認できるまで進むな」という糸もある。与党の糸もあるが、与党の中には逆向きの糸もある。野党の糸は、常に与党の逆の動きをしようとする糸になっている。

   「安全だ」という糸(専門家)もあれば、「危険だ」という糸(専門家)もある。「運転できる期間は40年だ」という者もあれば「安全が確保されればさらに20年運転できる」といったかと思うと、細野大臣は、今日改めて「40年だ」という。

   何かを進めようとするとき、それによって「利益がもたらされる者」と「不利益を被る者」ができる。TPPもその一つだ。国会議員の中には、自分は進めたいと思ってもいても、自分の支持者が反対している場合には簡単に動けない。多方面のたくさんの糸に縛られて身動きできない状態になっている政治家は少なくない。

  いいか悪いかは別として、橋下大阪市長は、これらのマリオネットの糸を断ち切ることを宣言している。独裁とか独断とか言われるが、果たして糸  の数の少なくなった同氏はどのような改革を行う事が出来るのか、見物である。

 一方、野田内閣は、たくさんの糸が絡まって身動きが出来ない状況にある。やがて、なりふりかまわず糸を断ち切って突進するのだろうか。日本では新内閣が発足すると、いきなり足の引っ張り合いが始まる。かくして、総理の任期は1年前後となり、世界各国から信用を失っている。そして、ひんしゅくを買っている。

  立派な人間が政治家になっても、この糸のために、おかしな動きをするようになり、最後には政治不信を招くもとになっている。日本には、こうした利害関係の対立する糸を断ち切って区民のために働くリーダーは出ないのだろうか。

紙芝居の最終場面。

(日記 終日、紙居のための絵を描く。ようやく、残り1枚となった。明日は描き終えることができるだろう。完成したら「紙芝居」にして児童館か幼稚園屋小学校で演じてみたい。また、絵本にして孫達に贈りたい。)