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Archive for 1月 7th, 2012

“幼児教育を考えるつどい”に参加して

07 1月

心に伝わる「加古里子」さんからのメッセージ
   午後2時から福井国際交流会館で『今、そしてこれからの幼児教育を考えるつどい』が開催され、私も、子育てマイスターとして参加した。多くの参加者は、県内の保育園、幼稚園、小学校の現役の先生方であった。

   最初に、「本県幼児教育の実態」と題して、福井県幼児教育プログラム策定委員会の西村副委員長(仁愛大学教授)からの報告があった。内容は、幼児教育に関わる教職員と保護者に対して県が行ったアンケートの結果についての報告だった。

  その後、ベネッセ次世代育成研究所の二人の研究員が、「幼児教育の実態の全国比較」と題して、同じく本県と首都圏の0歳から5歳までの幼児の保護者に対するアンケート結果の報告があった。

 首都圏の最近15年間で見られる傾向は次のようなものであると報告された。
・女性の就業率の増加により、保育園児が増加している。
・経済的困難から、教育費が減少している。特に、低年齢児に顕著に出ている。
・幼児は早寝・早起きの傾向がある。(共稼ぎの影響)
・保育の長時間化により親子の負担が増えている。

  上記のようなことが、アンケート結果から分かるとのことだった。特に目新しいことではない。福井県は三世代家族が多いこと、共稼ぎの家庭が多いことなども報告された。これもすでに言われていることだ。

  その後、DVDによる加古里子(かこ・さとし)先生の『本県幼児教育への応援メッセージ』がDVDで放映された。加古先生だが、武生市で小学校二年生まで育ったとのことであった。先生は福井での8年間の生活が自分を育ててくれたとおっしゃった。

 ※ 加古先生は200冊以上の絵本を描いておられ、そのうち150冊は科学に関する絵本である。80歳を超えた現在も意欲的に創作活動に取り組んでおられる。昨年12月には全国に伝えられている習わしや祭りや行事を表した子どもの自然と生活シリーズの出版を開始されたとのことだった。

加古里子先生のビデオでメッセージ。残念ながら、先生は来られなかったが、私にはビデオでも十分にメッセージが伝わった。

 メッセージの中で私の心に残った部分は以下の通りであった。
・福井の鳥や虫や魚など豊かな自然と周りの人が今の私を育ててくれた。
・福井のすばらしい学力・体力の基盤の上に花を咲かせていただきたい。
・軍人の学校にあこがれていたが近視が進み不合格になり、工学部を目指した。
・当時軍人を目指した人たちはほとんど戦争で亡くなった。
・その反省から、子ども達に正しい判断力をつけてもらいたいと考え、幼児の教育に関わりを持つようになった。
・大人達は子ども達が伸びていく環境をつくればよい。
・子どもの自ら伸びる力を生かす。大人はしゃしゃり出ない。
・子ども達の望むことは、大人にあまり頼らない。大人をよく観察してどうしたらよいかを考える。
・大人の行動を見て、批判できる心を育てて欲しい。自分で自分を鍛えていってほしい。
・自分にあったやり方を見つけてがんばってほしい。 
・ ・・・・・・・。

 私が思うには、現在の教育は、生まれてから、高校を卒業するまでは、ほとんど全ての活動に大人が関わっているように思われる。幼児期はもちろんのことだが、小学校へ入ると、学校ではもちろんのこと、放課後の児童センターやスポーツ・文化活動でも全て大人が仕切っているのだ。

  中学校、高校でも授業はもちろんのこと部活動などでも教員が指導に当たっている。子ども同士が自ら切磋琢磨する時間は非常に少ないのだ。こうした中では、創造性や人間関係を育てることは非常に困難ではないのだろうか。昔はこうではなかった。

  加古先生も今の福井県の素晴らしい教育の基盤(学力・体力が日本の上位)の上に花を咲かせてほしいと望んでおられた。それは子ども自らの力で咲かせてほしいと望んでおられるように感じた。大人の関わりは時と場合によっては子どもが自ら考える力や機会を奪うことがあると、言っておられるように思った。全く同感である。

 私は、この集いのアンケートにもこのことを書いておいた。ともすれば、行政というのは、余計なお節介をすることが多いからだ。成果を上げるために、近道を選ぶことが多いからだ。結局は子どものためにはならないのだから。

魔法学校「木の葉学園」の卒園式。

(日記 午前中はオリジナル紙芝居の絵を描いた。昼過ぎに福井へ向かった。『幼児教育を考えるつどい』に参加するめだ。その後、福井の本屋へ立ち寄り、本と手帳と週刊誌を買って帰宅。仕事のため一人で横浜へ帰った息子が再び帰省。月曜日には家族全員で横浜へ帰るのだ。今日は長女と二人の子どもも福井から来ているので我が家はまだまだ正月気分だ。)

 
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