20数年前の新聞の切り抜き
昭和62年4月10日発行の『代々木ゼミ新聞』に、代ゼミ理事長の高宮行男氏が、同年慶応大学(法学部)入試の論述力テストで、外山滋比古氏の『思考の整理学』から出題され、「グライダー人間」と「飛行機人間」という面白い対比がなされていると紹介している。
そして、「両者は一人の人間の中に同居している。グライダー能力をまったく欠いていては、基本的知識すら習得できない。何も知らないで独力で飛ぼうとすれば、どんな事故になるかわからない」と書かれている。
どちらも重要であるとしている。
この記事を読んだ瞬間に、私は切り抜いて保存しておいたのではあるが、どこへ保存しておいたのか分からなくなっていた。
そして、今日、物置を整理していて、この切り抜きを見つけたという次第である。
東大・京大で一番読まれた本
昨年暮れに、およそ20年前(1986年)に出版された外山氏のこの『思考の整理学』が、東大・京大で一番読まれた本になっていると新聞で読んだ。第63刷が発行され、100万部を突破しているという。
他人に導かれて学ぶ「グライダー」的な部分と、自ら学び想像する「飛行機的」名部分のどちらもが必要であろう。
しかし、これまで自分の周囲を見渡すと、グライダー的な人間のなんと多いことか。20数年前に新聞を切り抜き、自分もそのように生きねばと考えてきたことが、今も私の生活の基本にはある。
退職した今、これまでの知識や知恵を使って、自ら大空を飛びたいものである。
(日記:終日物置の整理。いろんなものが出てきて、その都度整理がストップしている。)