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新中学校はベターな選択、ベストな環境か?

09 3月

現在の中学校再編計画が実現したら

 現在、細長い勝山市には3つの中学校が存在している。しかし、その3校を廃校にして勝山高校に併設(グラウンドの中に1棟のみ建設)する計画が進んでいる。そして、多くの市民がそのことに疑問を持っている。

 そもそも、高校のグラウンドの中に中学校を建設しようという発想は、長年続く勝山高校の定員割れを防ぐことと、新たな敷地を求めず中学校を将来に備えて1校に統合しようということからきたものだと思う。

 元々中学校を建設する余裕のない勝山高校の敷地に、市内唯一の中学校を建設すると決めたために、面積的には校舎は一棟しか建設できないことは最初から分かっていたはずだ。

 そのため、当初、市民説明会では5階建ての中学校を建設するとしていた。勝山高校の3階建ての特別教棟(理科室・家庭科室・図書室などがある)の南側に近接して5階建ての建物を建設せざるを得ないこと自体、この計画に無理があったのではなかろうか。

 当然、中学生には5階建ては危険なこと、3階建ての南側に近接して5階建てを建てれば勝山高校の特別教棟が日陰になるなどの理由でこの案には異論が出て取り下げられた。当然であろう。

 それにしても、グラウンドの中に校舎が建つとなれば、高校の硬式野球の防球ネットが中学校の校舎に面してできることになり、教室の中から見れば、鳥籠に入ったような景色が広がることだろう。

 それに、授業中は、中学校、高校の体育の授業のホイッスルや生徒達の発する声が生徒達の耳に届くだろうし、放課後は、甲高い硬式の打球音など部活動の騒音が聞こえることになるだろう。決してベストな環境とは言えないと思うのだが。市長はマスコミに「ベターな選択、ベストな環境」と発言して新聞に掲載されている。当然のように議会ではこのことに関する質問が出ている。

次々と変わる中学校再編計画
 その後も、市教委の『勝山市立中学校再編計画(修正案)』では「勝山高校の校舎において、中高共用の理科・音楽・美術・家庭等関係の諸室を整備するとともに、中学校の校長室・職員室等を設けて中高教職員の緊密な連携を図る配置を検討します。」としている。

 中学校の校舎の中に、校長室や職員室がなければ、何か事故なり事件が起こったときにはどう対処すればいいのだろう。少し考えれば分かるはずだが、このように未熟な計画がどんどん出てきては、慌てて改めることを繰り返している。しかし、昨年度にはこうした基本計画立案のための予算が可決してしまった。

 もっと時間をかけて、中学校の統廃合問題を考えるべきではないかと私は思う。しかし、現実には、市当局はこの勝高併設案を何が何でも通そうとして、機会ある毎にそのことを説明している。

 そのため、今勝山では、勝高併設案を強行突破しようとする案に賛成する人たちと、再検討を促す人たちに二分されている。市内で唯一の新設中学校を勝高に併設するということは、この細長いまちに絶妙に配置されている現在の三中学校を廃校にすることでもあるので、かなりの市民が真剣に成り行きを見守っている。

 はっきり言えることは、計画がかなり未熟であるままに、強行されていることである。予算を通して、準備委員会では、校舎の配置を考えているが、考えれば考えるほど、いろんな問題が出てきて、現在、四案だったものが七案になっている。

 それは、登下校方向が、現在の勝山高校の校門方向(西側)と、国道157を挟んだジオアリーナ駐車場方向(東側、地下通路を通って学校へ入る)とに、二分されているからである。周辺の道路が狭いことから来ている。

 それで、この三月には更に実施計画のための予算が可決しそうである。勝山市民だけではなく、勝山市出身者の皆さん、そして、勝山市に関係のない皆さん方にも是非考えていただきたい。ご意見をいただければ幸いです。ちなみに、私は再検討をしていただきたいと願うものであります。

最初、市民説明会で示された5階建の中学校校舎イメージ図
 

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