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ものには長短、裏表あり

01 3月

どんな立派なモノにも長短はある
 私たちの生活に欠かせない車だが、その良さは今更言うまでもないだろう。しかし、その裏で、車の事故で何人の尊い命が失われていることであろうか?

 いくら悪気がなくても、事故は起こるのだ。そして、かけがえのない命が失われ、甚大な後遺症が残ることもある。交通事故死のデータだけでは、本当の姿は分からない。なぜなら、交通事故死の定義は、24時間以内になくなった方の数だからです。実際には、もっと多いのです。

 新幹線はありがたい。これもそのメリットは言うまでもないだろう。しかし、その裏では生活の足である在来線の経営は悪くなる一方である。通勤・通学の足となるのは、細かく停車する在来線だ。しかし、新幹線に客を奪われてダイヤは間引きされ、運賃は上がり、挙げ句の果てに廃線となりかねない。

 また、在来線はマイカーの影響をもろに受けやすい。北海道では少子化と共に、こうした影響を受けて次々と廃線になっているのだ。必ずしも、新幹線万歳とも言えない。

 デメリットにも目を向けて対策を考えてほしい。それが心の通う行政というものあろう。

行政は公正な判断を
 今我がまちでは、中学校の再編問題が起こっている。高校の敷地の中に、体育館もグラウンドも特別室も持たない勝山の中学校を建設するというのだ。既存の三つの中学校を廃校にしてのことだ。

 これだけ聞いただけで、メリットを感じるだろうか。現市長も前市長も市会議員の大半も市教委も、メリットばかりを強調している。そして、ホームページで、市の広報誌で、時にはLINEを送り付けたりしてメリットを強調している。

 市民説明会を何度開いても、「勝山高校に併設したらこうなる」と、現場の中高教員が一番懸念する勝高併設の部分を避けてメリットばかりを強調する。「県下に誇るジオアリーナがあり、長山グラウンドがある」ともっぱら強調する。

 勝高グラウンドは、高校が使うだけでも狭いので、ここに中学校の校舎を建てたら、尚更狭くなる。中学校は長山グラウンドで部活動をやれと言っても不可能(準備委員も指摘)。ジオアリーナも高校が部活動で使うので、今は半分程度しか空いていない。ここで、大きくなった中学校の全ての部活動ができるわけがない。(これも準備委員が指摘)

 思考を停止すれば、市の説明に納得してしまう。それは、明けても暮れてもメリットばかりを強調するからだ。今や現役の教職員も高校併設前提の意見しかいわない。市民が一番疑問視している「勝高併設」の部分には触れない。

 残念ながら、今の勝山には、忖度と、沈黙と、なれ合いと、思考停止が横行している。市が動いて、県(県教委)が動いて、多くの議員が賛同をしているので、「いまさら元に戻すのか」との声の方が大きくなって、市民の無力感が増すばかりだ。

 「もう決まっているんにゃろ」は多くの市民から聞かれる声だ。もっと市民の、特に中高生の声を聞ける行政であってほしい。デメリットも含めて。判断はそれからだ。

 どんな人が聞いたって、子ども達が聞いたって、「グラウンドも体育館も特別室も持たない市内唯一の中学校を、あまり広くもない高校のグラウンドの中に建設する」と聞いたら、おかしいと感じるだろう。私はそう思った。

 これでメリットばかりを強調する市の姿勢に、私は諸手を挙げるどころか、我慢しても賛成できずにいる。我が子も我が孫も、既に勝山にいないので、無視できたらどれだけ楽になるだろうと何度思ったことか。

 私の中の私が沈黙を許さない。いかに、どのようなレッテルを貼られようとも……!黙っていたら私が私でなくなる!

「ここが君たちの新しい中学校です」って言えますか?
 

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