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今も昔も、虫や鳥獣の害に苦労

25 2月

市の『鳥獣害対策研修会』に参加して
  午後七時より、勝山市の『鳥獣害対策研修会』に参加した。県の鳥獣害対策室の主任N氏が、『正しく進める獣害対策』として、主に猪やニホンザルの獣害対策について話をしてくれた。勝山でも、他人事ではない。

  我が集落でも、『農事組合法人かたせ』の山際の田んぼには電気柵を張って被害を少しでも減らそうと努めている。また、山際の集落は獣害に相当悩まされているようだ。

  「猪については、数を減らせばよいというものではない」という話があったが、なるほどと思った。銃や檻などを作って個体を減らしても、残った個体の餌がかえって豊富になり、繁殖力の旺盛な猪はどんどん子供を産んで個体はかえって増えるということだった。

  これは嶺南での経験で分かったことらしい。それよりも、餌を提供しないことが大切だということだった。餌を与えるということは、猪の繁殖を手伝っているようなものだとのことだった。

 ところで、こうした鳥や獣による農業被害は何も今に始まったことではないようだ。今、今週、発刊の瓦版の参考にと、区の議事録を読んでいるのだが、その中には次のようなものがあった。

今日の『鳥獣害対策研修会』のテキスト。

◆イナゴの卵採集の件◆(大正14年の初寄り合いでの決議事項)
・イナゴの卵、一戸当たり1升(1.8㍑)を義務採集とする。一升当たり四十銭で区が買い取る。
・最終期限は、6月15日とする。
・義務数量を採集しない者に対しては、区が1円を徴収する。
・採集した卵は、煮え湯に浸し十分殺し、区長宅へ持参すること。
 
◆モグラ捕獲の件◆(昭和3年の初寄り合いの決議事項)
・モグラは一匹十銭で区が買い取る。

  確かに、私の子供時代、「イナゴ」は、ありとあらゆるものを食い荒らしていたように思う。トウモロコシの葉にもたくさん捕まって葉を食い荒らしていたし、稲にもたくさんのイナゴが群がっていた。その被害たるや半端ではなかったと思う。

  私たちの子供時代には、イナゴを捕まえるノルマがあった。一升瓶にいっぱい捕まえたのだ。焼いて人間が直接食べることもあったが、多くは、鶏の餌にしたものだ。

  私たちの集落では、イナゴの害を少しでも減らそうと、卵を取ることを義務としたのだ。今も昔も、こうした悩みは同じようだ。ところが、イナゴに関しては、「ホリドール」という強力な農薬が出てあっという間に激減してしまった。しかし、人間にも大きな被害があって後に使用禁止になった。このことは今も覚えている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ホリドール」とは(ネットより)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  「ホリドール」は、無色・無臭の油状物質で、きわめて強力な殺虫作用を示し、稲作害虫に対する効果が大きい。1951年にバイエル社から「ホリドール」という商品名で日本に輸入され、多量に使用されたが、人畜に対する急性毒性と著しく高い欠点を有し、さらにその後の開発研究によって低毒性の有機リン酸エステル類が続々と開発されたため、日本では1969年にその製造が中止され、1971年には使用禁止となった。
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区長と農家組合長を対象に開催された『鳥獣害対策研修会』(於:すこやか)

(日記 午前中、『瓦版』発行のために、大正12年からの村の初寄り合いの議事録を読んでいた。いろいろ興味のあることが書かれていた。昔も今も、区の運営には苦労していたようだ。今と異なるのは、年に何度も総会を開催していたことだ。午後も作業を継続。午後7時より、勝山市の『鳥獣害対策研修会』に参加した。)

 
 

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