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平成の「結」

12 10月

人と人との絆
  昔は、単純作業を能率よくするために、農家ではお互いに助け合う「結(い)」が行われていた。「結」は「ゆい」と言う地域が多いが、我が片瀬では短く「い」と呼んでいた。

  近所の人が集まり、日数を決めてお互いに、作業をいていたのだ。例えば、今日我が家が田植えだとすると、近所野人たちが手伝いに来てくれたのだ。そして、数人で、効率よく作業を行っていたのだ。

組合の田んぼでの里芋の収穫作業。

 当然、別の日には今度は来てくれた家の田植えに出かけるということだ。一人で作業をするよりも、能率も上がり、世間話をしながら作業をするのは楽しいものだった。早朝から作業をするので、途中で、「こびり(小昼)」が出るのだ。

  「こびり」の定番は、黄な粉の「おにぎり」だった。それに、たくあんや山菜の煮物などが付いていた。疲れた体には、黄な粉の甘さはありがたかった。隣近所が、農作業などを協力してやって来たのだ。

  村の生活は一変した。それぞれが機械を持ち、他人に頼むことはできるだけ少なくしてきたのだ。そこへ車社会が到来し、テレビなどが普及し、報恩講などの諸行事も取りやめることが多く、人と人との交わりは激減した。

  車社会では挨拶を交わすことさえも少なくなった。そんなとき、後継者不足を解消するために、『農事組合法人かたせ』が組織され、共同で作業を行うことが多くなった。

里芋収穫作業に集まった区民が集まり休憩。配られたパンを食べ、ジュースを飲みながら歓談。楽しい時間だ。

 一つは、今日のように、里芋を掘り取る作業では十数名が集まって世間話をしながら、楽しく作業をするのだ。もう一つは、法人から畝を借りて作用をするのだ。一つの場所に多くの人の畑が集中するので、常にいろんな人と話し合うことができる。

  この集団農場(私はそう呼んでいる)では、常に誰かが作業をしているのだ。そこでいろんな人たちと農作業について情報交換を行うことができるのだ。

 このような状況は、平成の「結」と呼んでもいいかもしれない。昔と同じようにいろんな人たちが集まって作業をするので、村の人たちと話す機会はたくさんある。こうしたつながりを大切にしていきたい。

(日記 午前中、組合の里芋収穫作業。楽しく作業をすることができた。午後は、日曜日に「ゆめおーれ」へ出演する「カラオケサークル」のための編曲作業。市販の楽譜をそのまま使えばよいというものではない。その後、CDづくり。夜までかかった。)

 
 

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