インスタント時代に
この頃は何でも手に入る。金さえ出せば即座に手に入るモノが多い。しかし、金で手に入れたモノには価値がない。こんな時代だからこそ、時間をかけてじっくり手に入れた『モノ』に価値があるのではないか。
特に、子ども達に願う。「一週間かけて仕上げる」、「一ヶ月間かけて仕上げる」、「1年間かけて仕上げる」、「3年かけて仕上げる」、「10年かけて仕上げる」……、こんな経験をしてほしい。
ここで仕上げるとは、「モノを作ること」のみならず、「何か(技術など)を身につける」、「何かを育てる」など、“それまでできなかったことをできるようにする”ことでもよいのだ。目標を定め、時間をかけてチャレンジするということだ。
日々の変化は微々たるもので進歩を実感できないかもしれない。短期間では、進歩どころか後退しているかもしれない。しかし、目標を定めて毎日地道な努力を続ければ、一定期間では進歩が可能だと信じたい。
この地道な努力を私は『毎日パワー』と呼んでいる。子ども達にも理解してもらえるようにするために在職中は意識して使っていることばだ。これは何も子ども達のためばかりではない。自分自身にも当てはまるのだ。
私も、1ヶ月、3ヶ月、今年中、今年度中の目標を密かに定めている。後は、欲張らずに毎日少しずつでも実行することでよい。目標を定めたら『毎日パワー』を信じて、その日のことさえ考えればよい。先のことを考えすぎると重荷になるからだ。
「桃栗3年柿8年」という言葉がある。8年がかりで立派な実のなる柿の木を育てることができるのだろうか。柿の実をたくさん実らせるのは時間のかかることかもしれないが、柿の木を植えなければ収穫は期待できない。
子ども達には、「農」に親しんでほしい。多くの作物は数ヶ月から半年はかかるのだ。時間をかけて手に入れることの「尊さ」を経験してほしい。インスタント時代の今だからこそ価値あることなのだから。
(午前中、「花咲くまちづくり」の一区切りとして「竹プランターづくり」を行った。三つのうち二つは村の人に差し上げたい。昼頃、家内がイチジクを収穫してきた。いよいよイチジクシーズン開幕だ。今は実が着き過ぎている。かなり摘果したがそれでも実が多すぎる。去年は、完熟できなかった実が冬まであった。木の能力と実の数のバランスが大切だ。午後も竹プランターづくり作業を継続した。午後4時から「親子太鼓教室」。保護者にとってはかなりハードなトレーニングになっているらしい。まさに“太鼓ビックス”だ。)