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年月をかけて仕上げること

14 7月

インスタント時代に
  この頃は何でも手に入る。金さえ出せば即座に手に入るモノが多い。しかし、金で手に入れたモノには価値がない。こんな時代だからこそ、時間をかけてじっくり手に入れた『モノ』に価値があるのではないか。

  特に、子ども達に願う。「一週間かけて仕上げる」、「一ヶ月間かけて仕上げる」、「1年間かけて仕上げる」、「3年かけて仕上げる」、「10年かけて仕上げる」……、こんな経験をしてほしい。

  ここで仕上げるとは、「モノを作ること」のみならず、「何か(技術など)を身につける」、「何かを育てる」など、“それまでできなかったことをできるようにする”ことでもよいのだ。目標を定め、時間をかけてチャレンジするということだ。

  日々の変化は微々たるもので進歩を実感できないかもしれない。短期間では、進歩どころか後退しているかもしれない。しかし、目標を定めて毎日地道な努力を続ければ、一定期間では進歩が可能だと信じたい。

  この地道な努力を私は『毎日パワー』と呼んでいる。子ども達にも理解してもらえるようにするために在職中は意識して使っていることばだ。これは何も子ども達のためばかりではない。自分自身にも当てはまるのだ。

  私も、1ヶ月、3ヶ月、今年中、今年度中の目標を密かに定めている。後は、欲張らずに毎日少しずつでも実行することでよい。目標を定めたら『毎日パワー』を信じて、その日のことさえ考えればよい。先のことを考えすぎると重荷になるからだ。

  「桃栗3年柿8年」という言葉がある。8年がかりで立派な実のなる柿の木を育てることができるのだろうか。柿の実をたくさん実らせるのは時間のかかることかもしれないが、柿の木を植えなければ収穫は期待できない。

  子ども達には、「農」に親しんでほしい。多くの作物は数ヶ月から半年はかかるのだ。時間をかけて手に入れることの「尊さ」を経験してほしい。インスタント時代の今だからこそ価値あることなのだから。

竹プランターづくり。必要な人に差し上げたい。

(午前中、「花咲くまちづくり」の一区切りとして「竹プランターづくり」を行った。三つのうち二つは村の人に差し上げたい。昼頃、家内がイチジクを収穫してきた。いよいよイチジクシーズン開幕だ。今は実が着き過ぎている。かなり摘果したがそれでも実が多すぎる。去年は、完熟できなかった実が冬まであった。木の能力と実の数のバランスが大切だ。午後も竹プランターづくり作業を継続した。午後4時から「親子太鼓教室」。保護者にとってはかなりハードなトレーニングになっているらしい。まさに“太鼓ビックス”だ。)

初採りの大きなイチジク。早速、初物は仏壇にお供えし、味わった。いよいよいイチジクシーズン開幕だ。10月いっぱいは収穫できる。

 
2 Comments

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  1. 寺田幸彦

    2012年7月15日 at 8:08 AM

    『夢を植える』
    ”葉っぱビジネスで有名な徳島県上勝町のお婆ちゃんの言葉を思い出しました。

    山さんもご存知かと思いますが、上勝町は料理に使うツマモノの葉っぱビジネスで有名な町です。
    年収が1000万円をこ越えるお婆ちゃんもおられるそうです。
    このビジネスを立ち上げた横石さんの講演で聞いた話です。

    ある日横石さんは、一生懸命に木の苗を植えているお婆ちゃんに出会ったそうです。
    そこで横石さんが、「あんたはいったい何歳まで生きるつもりなんや。 今から苗を植えても、その木が育って葉っぱが出荷できるのは何十年も先のことやで、ほんまに欲深いなあ」。

    すると、そのお婆ちゃんはこう答えたそうです。
    「横石さん、今私が植えているの木の苗じゃないんや。
    今植えているのは”夢”なんや。
    自分が生きている間に葉っぱが出荷できないこと、そんなことは解っている。
    しかし何十年か先、子や孫が大きくなった時に、この木は立派に育って子どもたちの役に立つのや。
    私はそんな”夢”を植えているのや」。
    この話を聞いた横石さんは、思わず涙がこぼれたと話されましlた。

    今回の東日本大震災や原発事故は500年、1000年に一度の災害などと報じじられると、多くの人はまるで他人ごとのように感じてしまいがちです。
    自分が生きている間は大丈夫だ、そんな先のことを気にするより、たちまち今の自分の生活が大事・・・・と。
    日々の暮らしが一番なのはみんな同じですが、時にはその先の将来の事も真剣に考える必要があると思います。

    ブログを読んで、先を見据えた地道な毎日の暮らしの大切さに改めて気付かせていただきました。
    子どもたちにも、農業などを通してそんな経験をさせてあげたいですね。
    蒔いただけでは途中で枯れてしまうこともあるかも知れませんが、蒔かない種は決して生えて来ないことだけは間違いありません。

     
  2. Norio Yama

    2012年7月15日 at 10:38 AM

     『葉っぱビジネスで有名な徳島県上勝町のお婆ちゃん』の話は、テレビでは何度も見ましたし、DVDにもしてあります。
     でもこの『夢を植える』話は素晴らしいですね。
     
     今の子ども達や若者に願うことは“時間をかけてじっくりと何かを成し遂げる”ことですね。もしも成し遂げた場合には時間をかけた分、喜びも大きいと思いますし、短時間では得られない大きな成果も得られるでしょうし、次への意欲につながるでしょう。

     よい循環が生まれると思っています。そして、事を始めるのに年齢は関係ないと思っています。そんなわけで、私も、自分のペースで新たなことに挑戦したいですね。
     
     個人の挑戦も大切でしょうが、集団での取り組みも大切だと思いますね。上丹生にもそんな挑戦が見られるように思います。