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どこもかしこも後継者不足

31 5月

生産森林組合連絡協議会に参加して
  区長になると、充て職でいろんな役割が回ってくる。今日は、片瀬の生産森林組合長として『勝山市生産森林組合連絡協議会』に出席した。決算と予算の承認は短時間で終わった。

  その他のところで、林業を取り巻くいろんな問題を担当者から聞くことができた。今や、林業では食べていけない時代になってしまったようだ。それぞれの地区や個人が山を持っていて、立木を伐採し、売却し、さらに、植林するとなるとほとんど金にならないようだ。

  従って、農業と同じように後継者が育たなくなり、山を守ることができない状態になりつつあるようだ。以前は、木を伐採し、それらを売り、新たに植林をし、しばらくは下草刈りをしなければならず、山には種々の仕事があって、活気づいていたのだ。

  しかし、外国の安い木材に押されて、国産材をあまり売れなくなったというのだ。また、最近では安くて強度のある集成材も出回り、高価な木材は売れないということだ。補助金でどうにかなり立っている状況ではなかろうか。

 「売っても経済的に合わない→林業に携わる者が少なくなる→後継者が育たないの」という循環によって、今に日本の山は荒れるにまかせる時代が来るのでないかとのことだった。

  考えてみれば、これは林業の問題だけではない。農業もまったく同じなのだ。若者が継ぐだけの収入がなければ、仕事のある都会へ出てサラリーマンになるのを止めることはできない。

勝山市森林組合連絡協議会に参加した皆さん。

  そうなると、昨日の話ではないが、集落や、地方の都市さえ持続不可能になるのだ。そして、「限界集落」というありがたくない呼び名で呼ばれることになる。

  人口が減少すれば、医療機関も、ショッピングセンターも、貧弱なものになり、近隣の都市へ出かけなければならなくなる。若い人達は通勤だけのまちに魅力を感じるだろうか。

  林業に関係した話をしているうちに、そんな話まで出てきた。悲観ばかりしていても始まらない。それでは、次世代は益々悲観的になるからだ。それに、自分自身も情けない。

 こうなると、私達年配者の務めは、今住んでいるところで“納得した生き方”、“充実した生き方”をすることしかないのではないか。そんなことを思いながら、みんなの話を聞き、自分も話したりした。

  今、私達は,ライフスタイル全体を見つめ直し、幸せとは何かを自分自身に問わなければならないのではなかろうか。ブータンの生き方は、遅れているようで、案外先を進んでいるのかもしれない。学ぶ必要がある。

(日記 午前中、昨日に続いて竹スキー作り。その後、フラダンスのためのバンドカラオケ作り。午後は、『勝山市生産森林組合連絡協議会』に出席。いろんな話を聞けてよかった。村の山林の権利についても聞くことができた。また、今日会議があった九頭竜森林組合の勝山工場には、製材から出た半端な木材がたくさん積まれていた。4mの長さで1本150円とのことであった。雪囲い以外にもいろんな事に役立つような木材がたくさんあった。近いうちに買い求めたいと思った。夕方、明後日のフラダンスの会場となる市営プールで音響について打ち合わせをした。)

 
3 Comments

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  1. 坂川慶介

    2012年5月31日 at 11:50 PM

    最近は先生のブログを読んで寝るのが楽しみであり日課の一つになっております。
    小学校での宮大工によるカンナ削りの体験学習が二週間後に迫っており夜は家でテキストのための絵を描いています。今薬師寺の三重の塔の断面図をトレースしていますがなかなか骨の折れる作業です、、がとても楽しく取り組んでいます。描いて思うのは1300年も前にどうしたらあの様な複雑で耐震上合理的な構造が造れたのか不思議でなりません。現代の人は知識過剰でものをよく知ってはいますが便利ではない古代の人の方がものをよくわかっていたのだと思います。自然の摂理からしてものはこういうものだとまるで仏様や神様に尋ねるようにして正しい判断をくだしていたのでしょうか。最近住教育の仕事でいろんな人に出会って本当に大切なものは何であるかについて考えることが増えてきました。

     
  2. Norio Yama

    2012年6月1日 at 7:16 PM

    読んでいただいてありがとうございます。家族のためと、自分のぼけ防止にと思って書いているつもりですが。
     建築に関して言えば、「スカイツリーが昔の五重塔の心柱を参考にしているとは愉快ですね。コンピューターもなかった昔に、すでに耐震という発想があったなんて「すごい!」の一語に尽きますね。また、パズルのような木組みで一見不安定に見える五重塔を持たせているなんて、昔の宮大工さんに脱帽ですね。
     クレーンなどもなかった時代に強大な木造建築を建てたり、反り返るような城の石垣を組んだり、知識を活かす知恵があったのではないでしょうか。強大な岩を運んだり、意のままに割ったりして、構築物を作ったなんて、信じられないほどすごいですね。
     こうした後術が使われなくなり、後継者不足で消滅していくことは本当に悲しいことですね。そういう意味では、本物体験教室は価値がありますね。また、何かあったら教えて下さい。

     
  3. Norio Yama

    2012年6月1日 at 8:05 PM

    結城さんのお話は納得できます。今、私達は、マスコミの加工された情報、うわべだけの情報に振り回されているように思います。
     農業を例に取れば、本当に農業の持つ意味を理解している者は、政治家や官僚、役人の中にどれだけいるのかなと思ってしまいます。
     ピンぼけの補助金、今さえよければといいというようなお節介な口出し、専門家と言われる机上の空論家、……、こんな人達が物事を決めて、日本がよくなるわけがない。
     囲炉裏が、どんな役割をしていたのか、テレビや車がなかったときが家族はどうだったのだろうか。昔には戻れないが、捨ててはいけないものまで捨て去って自己中心で生きてきた結果が今日の状況だ。
      官僚の皆さんには、3年ぐらいは、現場で生活して欲しいですね。過疎の村で、雪国で、離島で生活してみて、農業や漁業などに従事してからでも、遅くはないと思う。
     今からでも遅くない。昔失った者を取り返すことができるように思う。こんなことを、ゆっくり話してみたいですね。