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農業について考えた日

26 5月

『環境自治体会議かつやま会議』に参加して
  環境自治体会議野二日目。私は、平泉寺公民館で行われる第5分科会の『コシヒカリ発祥の地福井から~環境にやさしい農業の発信~』に参加した。出席者は約80人。

雑草管理のために買われているヤギ。

  午前中はフィールドワークということで、午前9時、2台のバスで平泉寺公民館を出発し、最初は『ヤギによる雑草管理放牧の実験』をしている施設を見学、続いて『安全で美味い米作り』をしている地元平泉寺のM作業場や田んぼを見学、最後に『史跡白山平泉寺旧境内』を見学。

  そして、公民館へ戻って昼食。この間、市内で熱心に農業に取り組んでいるH君と同じバスになったために、いろいろ話しをする。彼は、農業について自分なりのビジョンを持っていた。

 多少熱心に農業をしていても、補助金頼みであったり、場当たり的である場合が多く、農業に対してビジョンを持っている者はそんなに多くない。彼は、農業を総合的に捕らえており、今後も話してみたいと思った。

 午後は、6人の発表があった。
 ……福井県越前市産業環境部長 S氏
(農家・行政・JAの三者が協力して高額でも売れる米作りを行っていた。消費者への理解画すすんでいると感じた。)

『ヤギによる雑草管理放牧の実験』
 ……勝山農業公社 S氏
(まさに実験という感じであった。ヤギの持つ癒やし的な部分は何かに使えるのではないかと思った。)

『赤トンぼと共に生きるための水田農業』 ……石川県立大学生物資源環境学部教授 U氏
(赤とんぼの増減と農薬についての考察があった。赤とんぼに悪い農薬が人間によいはずがないのではなかろうか。農薬の種類とその使い方に一考の余地があると思った。)

『安全で美味い米作りを目指して』
 ……(財)自然農法国際研究開発センター M氏
(地元平泉寺のM氏は親子二代にわたって徹底した有機農法で米作りをしているのに感心した。M氏の作る米は口コミで全て売れて自分の飯米もないくらいだという。価格も、1表30,000円ぐらいで普通の倍はするのだが。)

 ……たかしま有機農法研究会会長 U氏
(U氏もかなり徹底した有機農法で米作りをしておられるのだ。生き物全てに気を配り、共生を目指しているのだという。そうした取り組みが、テレビで放映されたのだ。放送直後から電話がかかり、注文が殺到したという。彼が言うには、テレビの威力は絶大だという。テレビも取り上げたくなるような本物作りが大切だということだろう。)

『自然と共存する農業のあり方(鳥獣対策への取り組み)』
 ……福井県奥越農林総合事務所 N氏
(猪や熊屋カモシカなどの被害は江戸時代からあったのだという。鳥獣被害の発生要因にはいろいろあるが、林業の衰退、狩猟人口の減少、過疎化、越冬個体数の増加などが上げられるという。捕獲や捕殺もやむを得ないということであった。共生の難しさを改めて感じた。)

米糠のペレット(粒状)化を実演する有機農業の関係者。

『コウノトリをシンボルとし、生き物と共生するまちづくりと売れる米作りへの挑戦

三つ目の視察の平泉寺。新緑がきれいだった。

『たかしま有機農法研究会の活動について~ふるさと高島よりこころつながるお米、お届けします』

 今日の分科会に参加しての感想だが、その気になれば環境に優しい農業、つまり人に優しい農業があるのではないかと感じた。参加者の中には、動員組もかなりいたようだ。聞いて欲しい人にもっと参加してほしかったと感じた。我が地区の『農事組合法人かたせ』の役員連中には是非とも聞いてほしかった。

平泉寺公民館で開かれた第5分科会。興味ある発表も多かった。

  我が片瀬の米も、独自のブランド化をするためには、いきなり有機は無理でも、せめて“低農薬農法”で頑張ってほしいと思う。「レンゲか水菜の種を播き、それを土にすき込んで化成肥料を少しでも減らすとか、除草剤を少なくするための工夫はある」と理事長には提言しているので、少しでも早く実現してほしい。

  今日の発表した地区の米は、通常よりも5割高、または倍の価格で取引されているようである。確たるビジョンを持ち、それに向かって少しずつでも近づいていってほしいと思う。今日の分科会はとても意義深く、楽しかった。

(日記 午前、午後とも、『環境自治体会議』に参加。いろいろ考えさせられることが多かった。今日も、事を為すのは人であると思った。コメンテーターの大学教授が「補助金がなくてもやっていけますか」と発表者に質問していたが、半々ぐらいだったように思う。農家への個別所得補償がなければ苦しいだろう。やはり、本物を作らなければ今後の農業は厳しいと思った。しかし、やれないことではないとも思った。)

 
 

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