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Archive for 3月 28th, 2023

止められなくなる前に熟考を

28 3月

始まる前にすることはなかったのか
 ロシアとウクライナの戦争が始まって1年以上が経過したのに、終わる兆しがない。世の中には、一度始まったら、簡単には止められないことは少なくない。

 先の戦争でも同様だった。始める前に止められなかったのか。いざ始まってしまうとよほどのことがない限り止められない。結局、多くの貴重な命が失われてしまった。

 わが勝山市でも似たようなことが起こっている。学校再編問題だ。勝山市単独の話なら再考や計画の見直しもできようが、勝山市・市教委から県議・県関係者を通して県教委へと話が進み、いったんその方向性が定まると、簡単には止められないのだろうか。

 中学校再編には、勝山高校の定員割れが大きくかかわっている。中高を併設すれば高校の定員増が期待されるという。はたしてそうだろうか。私はそうは思わない。これは高校の問題であって、中学校再編を持ち出すこと自体、間違っているように思う。

 私が高校教員ならば、定員割れが続く状態を高校の問題としてとらえ、何とかしようとしただろうと思う。一時の大野高校も、地元の校長が転勤することなく5年間踏ん張り見事に学校を生き返らせたと思っている。

 ところが勝山では、これらの計画が進んできたこの5年間、高校の校長は1年ごとに交代している。高校の活性化や魅力化を望むならばあり得ないことだ。片や校長が5年間頑張り、片やこの5年間校長は1年ごとに交代してきた。

 それで、高校の活性化に中学校を敷地の中に建設するという計画が突然現れた。このような計画は絶対に教育関係者の発想ではない。ありえない発想だ。

 そもそもこの計画は、子供たちのためになるのか、具体的に言えば、中学生にとって好ましい計画か、中学生の保護者や中学校教職員にとって好ましい計画かをよく考えての結論だっただろうか。

 一方、中学生が併設される高校側はどうか?高校生にとってはどうか、その保護者や教職員にとっては好ましい再編計画か。これらを十分に考慮した計画ではなさそうだ。高校の一般教員には一切の話がなく、計画ばかりがどんどん進んでいったようだ。しかも、これらの計画が進んできたこの5年間、高校の校長は1年ごとに交代している。高校の活性化や魅力化を望むならばあり得ないことだ。

 したがって、多くの市民が疑問を呈しているのに、計画の方はどんどん進んでいる。いや、進んでいるというよりも、何が何でもこの計画を進めるのだという固い決意がみられる。はっきり意見を言う人、沈黙を守る人、諦めている人、無関心な人、立場上言いたくても言えない人(現役の教職員や市役所関係者、そのOB)などで市民が二分されているように思う。

 肝心の子供たちを抜きにした計画が、だれも止められずに進んでいく様はどこかの国の出来事に重なり、いつか来た道に重なると思うのは私一人だろうか。