子供や若者に教えを乞う高齢者
IT化が進む現代において、デジタルデバイド(情報格差)がますます広がろうとしている。特に、情報化社会に到来により、かつては職場などでは新人とベテランでは仕事の上では明らかな差があった。
新人は、ベテランにものを教わり、その背中を見ながら、少しずつ追いつき追い越すというのが一般的なパターンだった。したがって、精進の後、先輩や親方を追い越して初めて恩返しができたという感じであった。
ところが、近年急激に発達したデジタル機器やデジタル社会の到来により、年長者よりも若者、時には子供たちの方がそれらに柔軟に対応し、スマホなども、子供や若者の方がはるかに高齢者よりも技術的にも上の社会になってしまった。
この面では、これらについて学ぶ機会がある高齢者はよいが、そうでない高齢者は様々なサービスを受けられず、情報を手にすることもできず、放置されようとしている。
進むデジタル化と取り残される高齢者
2020年のコロナ禍をきっかけとして、デジタル環境は急激な変化を続け、さまざまな手続きのデジタル化やリモートでのコミュニケーションが一気に進み、リモートワークも増えた。
そのような中、優先されるべき高齢者が情報格差によって取り残されがちな状況が起きつつある。私も、スマホを持ち、パソコンをネットにつないでなんとか、振り落とされないようにしているが、技術的には相当レベルが下であると自認している。
私の場合、幸い、息子がこの世界で飯を食べているので、トラブルに際しては、遠隔で私のパソコンに入り込み、あれこれ不具合を直してくれるので何とか、これらの機器にへばりついて、楽しんでいるという具合である。
もしこうした環境でなかったら、おそらく、絵を描くことも、映像を編集することも、音楽に関しても、すべて、何もできないでいただろうと思う。そして、デジタルの恩恵を受けることなく、日々暮らしていたかもしれない。
自力でインターネットを駆使できなかったり、スマートホンやパソコンでの操作ない人たちと、そうでない人たちの格差が広がらないように願うばかりである。これも、現代の大きな差別ではなかろうか。
いよいよ明日決勝を迎えるWBCも、通常のテレビでは見ることができず、つい最近までは映像抜きの実況を聞いていたが、ようやく、スマホで動画を見るように教わったばかりである。
そして、今日、それをテレビで見る機器を買ってきたので、明日は大画面で日本ーアメリカ戦を見られるだろうか。わくわくする。きっと、ここにも大きな情報格差があるのではなかろうか。