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昭和の暮らし

03 1月

滋賀県米原市上丹生の「かるたづくり」
  私の昨日のブログ「カルタの力」に対して、上丹生のメル友Tさんから返事をいただいた。その中で、上丹生では『心象絵図』を作られ、そこからカルタ作りが始まったと書いてありました。

  心象絵図とは、地域に暮らす長老たちから聞き取った、昭和時代の地域での暮らし振りが、様々なエピソードと共に描かれた「地域の歴史絵図」だそうです。私も、昨年、勝山市のエコミュージアム協議会主催の「上丹生チューリップ祭り」研修ツアーに参加し、その心象絵図を拝見しました。

 その絵図をもとにして制作しておられる「カルタ」の一節を紹介します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・メールの中に書かれた滋賀県米原市上丹生のカルタの一部です・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
○産婆さん 産湯は家の タライです
○竹スキー 竹馬タコも 手作りで
○妹を 背中に背負い 遊ぶ兄
○お供えは 大根かぼちゃ 地蔵盆
○屋根を葺く 結で互いが 助け合う
○警官に 見つからないよう 柴売りに
○山菜の ネドコは誰にも 内緒です
○プロレスを 初めて見たのは 他所の家
○飲み代が 払えず山を 売る人も
○もらい風呂 最後の人は 垢まみれ
○彫刻の ノミをたたく音(ね) 響く村
○熱がでた 焼き梅干を コベに貼る
○水汲みは 子どもの仕事 風呂に入れ
○映画会 ええもん出てくりゃ 皆拍手
○台風に 橋ごと流し 自衛する
○葬式の 輿にも見える 職人技
○蚊帳の 中ホタル飛び交う 初夏の夜
○炭焼きで 苦しい時代を 乗り越えた
○嫁入りで 子どもが待ってる 土産菓子
○丹生川で ふんどし姿の 河童たち
○祭り前 飼ってる鶏が いけにえに
○棟上の 祝い饅頭 人だかり
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 話は変わって、私は今パソコンのファイルの中を整理している。その中でも、十年ほど前に書いた『昭和の子供』があった。どことなく似通っているのでそのうちのいくつかを紹介したい。懐かしいと共に、昭和時代は貧しかったが子育て環境としてはよかったのではないかと今更ながら思う。

昭和の子どもたち
      【昭和二四年~三〇年頃】

映 画
  映画館なら 二つあり
 『鞍馬天狗』に  『紅孔雀』… 
 ひばり・嵐寛   錦之助
 巡回映画が  やって<る
 無声映画て  弁士付き
 楽しいアドリブ  大笑い
 便所へ立つ人  幕に影
 大事な場面が 「見えんぞ、おっさーん!」
 映画の中は  大ピンチ
 ヒーロー白馬で  それ急げ
 館内子供の  拍手沸<
 終われば寂し  夢覚める

風 呂
 風呂を沸かすは  子の仕事
 手押しポンプで  水汲んで
 バケツに入れて  水運び
 胸まで差し上げ  風呂ヘジャー
 小学生には  重労働
 五回・十回   くーたくた
 おまけに釜から  水漏れだ
 火が消え煙が  もーくもく
 目痛い涙が  ポーロポロ
 薪持った手で  涙拭きゃ
 顔中炭で  インディアン
 笑い事では  済まされぬ
 外へ突進  二度三度
 新鮮空気で  元気つけ
 またまた煙の  中へ行く
 風呂が沸いたら  お隣へ
 「湯、入んに来とくんねんしぇー」
 当然ふれ事  子の仕事
 同じ湯再度 沸かした日
 「古湯ですけど、入んに来とくねんしぇー」
 またまた近所を  一回り

伝承技術
 遊びに技術は  不可欠だ
 鳥かご作りは  難しい
 割竹作って  ひご抜けば
 準備作業は  八分目
 できた籠には  ヒワ・目白
 山雀・ウソに  尾長など
 まだまだできる  ヤス〈魚突道具)・ほうき
 片瀬自慢の  特殊ソリ(ハンドル付き)
 遊 び
 衣服は上から  お下がりだ
 破れて継ぎあり  我慢しろ
 姿・形は 惨めでも
 いつもお腹を  空かしても
 心は錦  光ってる
 生きてる証(証)  遊ぶんだ
 先輩達に  しごかれて
 泣く日もあれば  笑う日も
 遊びまくるは  いいことだ
 缶けり・陣取り  八けんけん
 瓦倒しに  鬼ごっご
 ビー玉・ぱんや(めんこ) 木登りだ
 竹のバットと  テニス球
 三角べースの  草野球
 チャンバラごっこ  村回り
 漆の木の剣  災難だ
 顔はもちろん  あそこまで
 漆にかぶれて  さあ大変
 かゆいのなんの  驚いた
 「晩御飯だ」と  母の声
 渋々家へ  戻される

水 泳
 泳ぎはもちろん  九頭竜だ
 汗出し歩く  炎天下
 高島河原  もうすぐだ
 歩きながらも  シャツを脱ぐ
 もっこへんどし(褌)  キリリ締め
 準備体操  そこそこに
 ざぶんと飛び込む  川の中
 鮎・鱒泳ぐ  別世界
 雨の後なら  濁り水
 川幅倍でも  渡るんだ
 命をかけて  泳ぎ切る
 これが男と  いうもんだ
御裾分け
 結婚式だ ご馳走だ
 おっとどっこい  ちょっと待て
 隣近所へ  御裾分け
 せっかく貰った ご馳走が
 羽を生やして  逃げていく
 回り回って  お返しが
 忘れた頃に  やってくる

 
何もなし
 何もない家  子にゃ宝
 ないから考え 湧いてくる
 物と思考の  シーソーだ
 物多ければ  思考減り
 物少なくば  思考増す
 何もないから  考える
 物溢れれば  創意なし
 
 何にもない家  退屈だ
 表へ出よう  友がいる
 友集まれば  遊びあり
 遊びの中で  わかること
 我慢・生き甲斐  思いやり
 何もないなら  作りゃいい
 昭和の時代  物不足
 平成時代  物余り
 「何あり」「何なし」  考えて
 幸(しあわせ)探し  始めよう
 
物、物、物
 物があるから  考えぬ
 物あり過ぎて  考えぬ
 あるからなくて  なけりゃある
 
 考える暇  与えずに
 物を作って  儲けてる
 考える暇  ないほどに
 物を作って  売りまくる
 物に溺れて  物を買う
 物に流され  物を買う
 物を買うため  働いて
 働いてまた  物を買う
 
 気がつきゃ「時」が  流れてる
 買えない「時」が  減っていく
 貴重な「時」が  過ぎていく
  気がつきゃ子育て 終わってる
 後でどんなに 悔やんでも
 月日はただただ 進むだけ            
 

子供時代の親鸞。現在思案中。

(日記 まだ、正月。ゆっくり一日を始める。午後は、創作紙芝居『親鸞聖人』の準備を始める。先ずは、親鸞の簡略な伝記を詠んでみた。時代背景を知らなければならないことと、時代が親鸞を呼び寄せたと言えなくもない。幕末の時代が龍馬をこのように出現させたように。 その後、親鸞の子供時代と青年期の顔を描いてみた。この顔をベースに壮年期、老年期の顔を描くつもりだ。完成までには1年かかりそうだ。来月中旬までに、別の童話紙芝居を作りたいので忙しくなりそうだ。)成人の親鸞聖人。昨日より表情を少し変えた。

 
 

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