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『かるた』の力

02 1月

今も覚えているカルタの一文
  人は、一生のうちで記憶力のよい時期があるのではないかと思う。この時期に覚えたものは、一生覚えているような気がする。小・中・高の時期がそれに当たるのだろうか。私は、その頃に覚えたことや、あったことを今でも鮮明に覚えている。「いろはかるた」もその一つだ。

「いろはかるた」
 ・犬も歩けば棒にあたる
 ・論より証拠
 ・花より団子

平泉寺カルタ い

 ・憎まれっ子世にはばかる
 ・骨折り損のくたびれ儲け
 ・下手の長談義
   ……
 ・安物買いの銭失い
   …… 
 ・門前の小僧習わぬ経を読む
  ……
 ・京の夢大阪の夢

 今、考えるといろんな「ことわざ」が含まれていたことが分かる。落語の一節も覚えたことのことの一つだ。

「柳亭痴楽の落語の冒頭の一節」
     「東京娘の言うことにゃ サノ言うことにゃ
     柳亭痴楽はいい男 鶴田浩二や錦之助
     あれより ぐーーんといい男
     痴楽とならば何処までも 水平線の果てまでも
        とこいとやせぬ てなことを夢に見て 
          しみじみ泣いた 夜ばかり
     私も人の子 男の子 ピーチクパーチク喋れども
     失恋ばかりで 夢去りぬ
     彼女ほしいと来てみれば ここはトルコのまち外れ
     男のもてるウシュクダラ 二枚目気取りで歩いたら

平泉寺カルタ ろ

       ベッサメムーチョでアイラブユウ
     ホイ来たチョーさん待ってたと グッと彼女を抱き締めりゃ
     とたんにポロポロ籾の殻 枕を抱いていたのです    痴楽つづりかた狂室 」

 浪曲師「寿々木米若」の「佐渡情話」の冒頭
    佐渡へ佐渡へと草木もなびく 
     佐渡は居よいか住みよいか……

と共に、その美声がよみがえる。特に、親父が米若の大ファンだったので私も浪曲を好きになったものだ。この他、島崎藤村の「千曲川旅情の歌」やいくつかの漢詩も自然に口から出ることがある。

  また、何かの雑誌の付録だった「理科の学習カルタ」でコペルニクスが「地動説」を説いたことなども記憶に残った。「いろはかるた」で覚えたことがその後もずっと記憶に残り、学習にも役だった。

  そんなことを考えると、カルタにすることは意味のあることかもしれない。とくに、言葉にリズムを付けると記憶を再現しやすいのだ。特に、若いときほどいつまでも記憶に残るのだということが自分の経験からよく分かる。

  さて、私は何をカルタにできるだろうか。米原市のTさんの年賀状を見て、何でもカルタになるなあと思った。私は、子供の学習的なことも、健康に関することも、高校の数学さえも「カルタ」にできるのではと思った。

 試しに、平泉寺物語の絵を何枚かカルタ風に編集してみた。絵は、たくさんストックしているので材料に事欠かない。問題は、いかにリズミカルな言葉を付けるかだ。何とかなるだろう。その気になれば。今年もまた忙しくなりそうだ。

(日記 今日は正月。朝寝から一日は始まった。息子は、仕事の都合で家族4人を勝山へ残して一人で横浜へ帰っていった。入れ替わりに、長女の家族4人がや

平泉寺カルタ は

って来た。いっしょに食事。その後、長男の娘のA(小2)が仕切って学習発表会のようなことをした。のんびりとした時間が過ぎていく。正に正月だ。)

平泉寺カルタ に

子どもたちの余興大会で踊り付き新体操を発表。妹は姉を見習って必死。そのうちに上手くできるようになるかもしれない。

 
3 Comments

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  1. 寺田幸彦

    2013年1月3日 at 9:24 AM

    明けましておめでとうございます。
    昨年も様々な出会いが生まれましたが、勝山市の皆さんとの交流をきっかけに、山さんとも知り合うことができました。
    その後、ブログを拝見し日々精力的に暮らしておられる姿に元気をいただいた一年でした。
    片瀬と上丹生、環境は違っても少子高齢化が進み、地域の絆が薄れていく中、少しでも地域を元気にしようと想う気持ちは同じだと感じました。

    その手段として、上丹生では二年の歳月を掛けて一昨年に心象絵図を作りました。
    県内でも約30ヶ所で心象絵図が製作され、県外にも広がりを見せています。
    反面、絵図は完成したけれど、その後の活用という点では、問題点もあるみたいです。
    完成当初の皆さんの興味が徐々に薄れ、絵図も倉庫に眠ったままという地域もあると聞きます。

    自分が生まれた故郷に、興味や関心が持てない世代も増えています。
    それどころか、地域と関わることが煩わしいとさえ思う人も増えています。
    地域のお寺と門徒との関係にも同じ様なことが言えるのでは無いでしょうか。
    特に年末から年始に掛けて、お寺に伺う機会がある度に感じることです。

    子育てに関しても、地域との関係は重要な要素になります。
    地域の人々に見守られながら安心して子育てができ、もし困った事があれば相談できる人が回りにいる。
    そじて、子どもたちには自然の中で自由に伸び伸びと遊べる環境を作ってあげることが、未来を担う健全な子どもたちを育てるには必要と思います。

    心象絵図には、地域に暮らす長老たちから聞き取った、昭和二十年から三十年当時の、地域での暮らし振りが、様々なエピソードと共に画かれています。
    正に百聞を一見にした地域の歴史絵図です。
    絵図の活用案のひとつとして『思い出カルタ』の製作を進めています。
    カルタの読み札(案)を幾つか紹介します。
    ○産婆さん産湯は家のタライです
    ○竹スキー竹馬タコも手作りで
    ○妹を背中に背負い遊ぶ兄
    ○お供えは大根かぼちゃ地蔵盆
    ○屋根を葺く結で互いが助け合う
    ○警官に見つからないよう柴売りに
    ○山菜のネドコは誰にも内緒です
    ○プロレスを初めて見たのは他所の家
    ○飲み代が払えず山を売る人も
    ○もらい風呂最後の人は垢まみれ
    ○彫刻のノミをたたく音(ね)響く村
    ○熱がでた焼き梅干をコベに貼る
    ○水汲みは子どもの仕事風呂に入れ
    ○映画会ええもん出てくりゃ皆拍手
    ○台風に橋ごと流し自衛する
    ○葬式の輿にも見える職人技
    ○蚊帳の中ホタル飛び交う初夏の夜
    ○炭焼きで苦しい時代を乗り越えた
    ○嫁入りで子どもが待ってる土産菓子
    ○丹生川でふんどし姿の河童たち
    ○祭り前飼ってる鶏がいけにえに
    ○棟上の祝い饅頭人だかり

    カルタではないですが、昨年シルバー川柳が流行りました。
    ○誕生日ローソク吹いて立ちくらみ
    ○お迎えは何処から来るのと孫が聞く
    ○恋かなと思っていたら不整脈
    ○湯加減をしょっちゅう聞くなわしゃ無事だ
    ○LED使い切るまで無い寿命
    ○日帰りで行ってみたいな天国に
    ユーモアも含め、短い文章の中に上手く現在社会を表現されています。
    上丹生のカルタでも参考にしたいと思っています。

    せっかく作った心象絵図です。
    言葉だけで理解するのでは無く、現在のまちづくり活動に具体的に活かして行ければと思っています。
    本年もご指導よろしくお願いいたします。

     
  2. Norio Yama

    2013年1月3日 at 8:07 PM

     早速、ブログに感想をお寄せいただきありがとうございます。メールの中の、次の部分は全く同感です。

    ・自分が生まれた故郷に、興味や関心が持てない世代も増えています。
    ・地域と関わることが煩わしいとさえ思う人も増えています。
    ・地域のお寺と門徒との関係にも同じ様なことが言えるのでは無いでしょうか。
    ・子育てに関しても、地域との関係は重要な要素になります。
    ・地域の人々に見守られながら安心して子育てができ、もし困った事があれば相談できる人が回りにいる。そして、子どもたちには自然の中で自由に伸び伸びと遊べる環境を作ってあげることが、未来を担う健全な子どもたちを育てるには必要と思います。

     上記はいずれも同感ですね。地域づくりの鍵は「子どもたちに対して大人達がどう向かい合うか」にかかっているように思います。少なくとも、50歳を過ぎたら地域の子どもたちのどう関わるかが重要な仕事ではないでしょうか。
     堅苦しく関わるのではなく、楽しく関わることが大切ではないでしょうか。私が思うふるさととは、「地域に自分の関わった場所がある(学校や自宅以外に)」ことと「地域に自分が関わった人がいる(家族以外に)」の二つがあることだと思っています。
     メールにありました上記の項目は地域がふるさとになるための必要条件ではないでしょうか。

     それと驚いたことがあります。カルタの読み札にある文章は全て私の子供時代に当てはまります。私も、十数年前に、詩の形にしましたが、それとあまりにも似ているので驚きました。

     それから、心象絵図にも関心がありますね。私も以前に、もしも私に文才があったら、『お父さんの子供時代』という本でも書くのにと思っていましたが、その子どもたちも大きくなってしまいましたので今度は『じいちゃんの子供時代』という題名に替えて本でも書けないかなあと漠然と思っています。
     いつも書いて下さるメールが、私にはピッタリ当てはまると思っています。
     今年もよろしくお願いします。

     
  3. 寺田幸彦

    2013年1月3日 at 10:15 PM

    山さんがおっしゃる通り、地域や地域の人と如何に多くの関わりを持てるかで、故郷に対する想いが違ってくるのだと思います。

    心象絵図が完成した年に、勝山市に会の慰安旅行を兼ねてお邪魔したことを思い出します。
    完成した心象絵図の複製を持参して、北谷地域の道場で絵解きをさせてもらいました。
    参加された方が、まるで自分たちの地域の絵図の様だと話されたことが印象に残っています。
    同時に、同行した上丹生のお年寄りたちが、自分たちの故郷を誇らしげに話される姿を嬉しく感じたことを思い出します。
    戦後の混乱期から復興に向かう時代、当時村と呼ばれた地域の暮らし方は、きっと共通することが多かったのだろうと想います。

    心象絵図には、地域の春夏秋冬を背景に、人の生老病死が画かれています。
    その地に生まれ、その地に育ち、その地で死んでいった人の一生を、物語風の紙芝居にもしたいと思っています。
    その紙芝居も、男性、女性、子ども、伝統文化、生業、結・・・など、色んな切り口で捕らえれば、幾つかの物語に仕立てることができます。
    カルタとは一味違う、興味深い活用方法だと思います。
    そこに音楽が加われば、更に興味深い物になりそうです。
    山さんなら全てお一人でも出来てしまいそうですね。

    一度に全部はできませんが、出来るだけ大勢の皆さんを巻き込み、楽しみながら作って行ければと思っています。