「生産森林組合連絡協議会」研修会に参加して
今日は森林組合の研修会。大野市の九頭竜森林組合に午前七時集合。となると、自宅を6時半頃に集合。逆算して午前5時半に起床。県職員、大野市の職員、そして、大野市と勝山市の事務局と各地区森林組合長合わせて17名が参加しての研修だ。
九頭竜森林組合を午前7時に出発して、油坂峠を経て岐阜県に入り、白鳥インターから東海北陸自動車道で郡上八幡インターチェンジへ。一般道で、岐阜県白川町の『東濃ひのき製品流通協同組合』に到着。
組合の関係者から、主に、「木質バイオマスエネルギー利用施設」についての説明を受けた。その後、職員の案内で施設を見学した。合理的に、作られた施設であると思った。
原材料ヤードに置かれた製材端材や、建築廃材、流木、廃棄物などを機械でベルトコンベヤへ投入すれば、自動的に粉砕機に送られて砕かれ、チップになるのだ。それをベルトコンベヤでチップサイロへ送り、さらにベルトコンベヤで燃焼室へ投入するのだ。
っっそして、温めた蒸気を発電に使うという仕組みだ。さらに、燃焼後にできた灰はベルトコンベヤで灰の置き場へ送られるのだ。この燃焼後の灰は、廃棄物として埋めると、1t当たり4万円の処理費がかかり、セメントの材料として宇部まで運搬すると1t当たり2万円強で引き取ってもらえるらしい。
当然、輸送費をかけてでも、セメントの材料として引き取ってもらったほうが得策だ。「木質バイオマス」は木のゴミをエネルギーに変換するというのだ。しかも、木を燃やしたときに発生する二酸化炭素は、周囲の森林の生長に伴って消費されるというのだ。
このため、森林を持続的に利用できれ、二酸化炭素の排出量は±0になるというのだ。そして、これを「カーボンニュートラル」と言うのだそうだ。温室効果ガスが増える中、二酸化炭素削減には大きな効果があるそうだ。
こう書くと、いいことばかりのようだが、実際には、各省庁の縦割り組織の弊害があり、規制が多すぎ、補助金の使い方にも制限があって、文字通りバラ色であるとは言えないそうだ。
今回の研修に参加して、思ったことは、国土のほとんどが山地である日本において、木材の利用が思い通りに進んでいないということだ。国産材は、安い外材に押されて採算に合わないらしい。
さらに、TPPに加盟して関税が撤廃されれば、この傾向はさらに強くなり、森林事業に従事する者は激減し、山林は荒廃するのではないかと思った。これは、国土の荒廃に繋がり、災害に弱い国になりかねないのだ。
もう一つ話を聞いていて感じたことは、補助金を出す側と補助金を必要としている側のミスマッチがあるのではないかと思った。机上で考えた計画が現場のニーズと乖離しているのではないかと思った。これは、いろんな分野で起きていることだが。
これを正すのが政治家ではないのか。しかし、事の全体像を把握していない者にこれらを求めるのは酷ではないのか。将来国家の中枢で働く者には現場での長期にわたる実践的な研修が不可欠であると感じた。
全てが専門家になれとは言わないが、真の専門家もこれからの世の中には一定数必要ではなかろうか。2,3年であちこち部署を変わる職員ばかりでは、これからの世の中を動かすことができないのではなかろうか。
(日記 生産森林組合の研修会に参加。岐阜県白川町の『東濃ひのき製品流通協同組合』での視察研修。その後、道の駅『ピュアチェーレ』で昼食をとり、『日本昭和村』を視察研修。広大な敷地に昭和時代の学校や役場、わらぶき屋根の民家、商店などが点在していた。親子、孫達と一緒に来ても一日遊べそうな施設だった。楽しかったが考えることの多い研修でもあった。)