部下に任せられる組織を作るのは上司の責任
昔の上司には、部下に向かって、「思い切ってやれ、責任は俺が取る。安心してやってみろ!」と言ったタイプが多かったということを時々聞くことがある。
一見、度量がある上司のようにも見えるが、これには前提がある。安心して任せられる部下がいる場合か、そのように部下を育てている場合である。
先日、テレビを見ていたら、それでも、最終結論は社長ではなく、社員というカリスマ的経営者H氏についての番組が放映されていた。
しかもこの経営者は、破綻したリゾートやホテル・旅館等を次々と再生させているというのである。次々と実績を上げているのである。
“社長でなく、社員が決定を下す”にも前提があり、この前提に私たちが、学ぶことが非常に多い。それは、結論に至るまでの過程を非常に重視していることである。
例えば、旅館の経営再建の場合には、下足番、料理人から仲居さん、支配人に至るまで、全ての職員が平等に意見を言える場を設定していること、そして、出される結論が論理的である(ロジックがしっかりしている)ことをH氏が要求していることである。
思いつきでは駄目だということである。過去の客層を徹底的に分析させ、どの層に一番焦点を当てるべきか、そして、その層にどのようなサービスを提供すべきかを全職員が一丸となって徹底的に話し合うことを要求しているのである。
こうして、導き出された結論に対しては異議を挟まず、任せきるということであった。H氏が納得するだけの結論を導き出せば、安心して現場に任せられるということであろうし、全責任をH氏が引き受けるとのことであった。
そうでなければ、数十億、数百億の赤字を抱えた企業を次々と何社も再建できるはずがない。『任せること、信じること』とは、任せられるだけの社員を育てる仕組みを具体的に作っていることである。
漠然とした目標ではなく、説得力のある結論、論理的な結論を部下が出せるよう職場環境の整備に努めていることであろう。
そのために、一般的に行われているピラミッド型の組織を廃し、フラット型の組織(小グループを作り、グループリーダーは自ら申し出る)を作って、一人一人の職員の能力を十分に発揮させる仕組みを作っていることも特筆すべきであろう。
事を為すのは人であり、人こそ最高の財産であることを私たちは今一度認識し、人を信じて彼らに活躍の場を与える組織を作ること……、私が最も参考になった部分である。とても有意義な番組であった。
(日記:午前中数学のホームページ作り。途中で歯医者へ行く。午後も3時頃まで作業を継続。午後3時過ぎから事務所の資料の整理や掃除をする。モノがあり過ぎてストレスがたまる。捨てるモノがあるとほっとする。午後7時半より、『片瀬豊年ばやし』の練習。突然、出番ができたためだ。12月11日に市の教育会館で披露することになったのだ。)