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Archive for the ‘中学校再編問題’ Category

なんでこうなったのか?

02 4月

20年分の教育関係市議会議事録を読む
 一昨年途中から、中学校再編に関する説明会に出ているうちに、現在進んでいる『中学校再編計画』について疑問をも持つようになった。

 「なぜ、勝山高校のグラウンドの中に勝山唯一の中学校を建設しなければならないのか」 これが、勝山市の子ども達のためになるのか?誰がこのような計画を発案したのか?誰が決めたのか?

 そのうちに、このような問題について考えている団体のあることを知った。しばらくは集まりに参加していたが、途中からは自分で調べるようになった。

 そこで、議会議事録を見ることから始めた。最初は、数年分しか議会議事録に目次がついていないので、教育関係の部分を探すのは大変な作業だった。議員の全ての内容を見なければどこに教育関係の記録があるのか分からないからだ。見出しも何もついていない、文字だけが並ぶ議事録から必要なものを探すにはかなりのエネルギーが必要だった。

 たまりかねて、知り合いの議員に頼んで目次をつけてもらうようお願いした。しかし、今でも平成14年以前は目次がついていないのでそれらを見るのは大変だ。おそらく誰も見ていないのではなかろうか。

 そして、私なりの理解は得られた。しかし、それらは決して納得のいくものではなかった。併設の相手となる勝山高校の教職員にはほとんど知らされないまま、一部の者によって強引に進めらた計画だからだ。

 特に、不可解なのは、併設の相手校となる勝山高校の校長がこの5年間、毎年1年で交代しているのだ。そして一般教員には何も知らせないで転勤してしまい、計画が進められてきたからだ。

 一般市民のほとんどは、何が起こっているのか全く知るよしもない。勝高界隈を文教地区にするのだとか、これで、高校の定員増が期待できるとか、ジオアリーナや長山を使えるとか、一部の情報ばかりをネットや広報誌で市民に一方的に知らせて現計画を進めている。

 市民の納得のいかないままに、強引に進めた計画はきっと上手くいかないように思う。私は今でも再考を願っている。今ならまだ考え直す余地があると思うからである。

 

止められなくなる前に熟考を

28 3月

始まる前にすることはなかったのか
 ロシアとウクライナの戦争が始まって1年以上が経過したのに、終わる兆しがない。世の中には、一度始まったら、簡単には止められないことは少なくない。

 先の戦争でも同様だった。始める前に止められなかったのか。いざ始まってしまうとよほどのことがない限り止められない。結局、多くの貴重な命が失われてしまった。

 わが勝山市でも似たようなことが起こっている。学校再編問題だ。勝山市単独の話なら再考や計画の見直しもできようが、勝山市・市教委から県議・県関係者を通して県教委へと話が進み、いったんその方向性が定まると、簡単には止められないのだろうか。

 中学校再編には、勝山高校の定員割れが大きくかかわっている。中高を併設すれば高校の定員増が期待されるという。はたしてそうだろうか。私はそうは思わない。これは高校の問題であって、中学校再編を持ち出すこと自体、間違っているように思う。

 私が高校教員ならば、定員割れが続く状態を高校の問題としてとらえ、何とかしようとしただろうと思う。一時の大野高校も、地元の校長が転勤することなく5年間踏ん張り見事に学校を生き返らせたと思っている。

 ところが勝山では、これらの計画が進んできたこの5年間、高校の校長は1年ごとに交代している。高校の活性化や魅力化を望むならばあり得ないことだ。片や校長が5年間頑張り、片やこの5年間校長は1年ごとに交代してきた。

 それで、高校の活性化に中学校を敷地の中に建設するという計画が突然現れた。このような計画は絶対に教育関係者の発想ではない。ありえない発想だ。

 そもそもこの計画は、子供たちのためになるのか、具体的に言えば、中学生にとって好ましい計画か、中学生の保護者や中学校教職員にとって好ましい計画かをよく考えての結論だっただろうか。

 一方、中学生が併設される高校側はどうか?高校生にとってはどうか、その保護者や教職員にとっては好ましい再編計画か。これらを十分に考慮した計画ではなさそうだ。高校の一般教員には一切の話がなく、計画ばかりがどんどん進んでいったようだ。しかも、これらの計画が進んできたこの5年間、高校の校長は1年ごとに交代している。高校の活性化や魅力化を望むならばあり得ないことだ。

 したがって、多くの市民が疑問を呈しているのに、計画の方はどんどん進んでいる。いや、進んでいるというよりも、何が何でもこの計画を進めるのだという固い決意がみられる。はっきり意見を言う人、沈黙を守る人、諦めている人、無関心な人、立場上言いたくても言えない人(現役の教職員や市役所関係者、そのOB)などで市民が二分されているように思う。

 肝心の子供たちを抜きにした計画が、だれも止められずに進んでいく様はどこかの国の出来事に重なり、いつか来た道に重なると思うのは私一人だろうか。

 

学校は地域の中心であるべきでは

16 3月

南小学校そして南部中学校を中心に市街地が
 学校と周辺の町の変化について考えてみる。私は新築の成器南小学校の1年生として入学。この頃の、南校と言えば、田んぼの中の一軒家のようだった。周辺はほとんど田んぼでかなり町外れにできたと思う。
 
 そんな状況の中で、南小学校と元町の間に洋風の赤い屋根の家が一軒建っていたのを覚えている。片瀬の自宅からは南小学校が見通せたものである。

 南小学校界隈の大きな道路と言えば、本町ー立石ー山岸機業ー南小ー高島ー若猪野ー下荒井橋を通って、大野へ行く道が一本。これが勝山と大野を結ぶ主要道路だった。そして、もう一本は、立石ー毛屋ー平泉寺を結ぶ平泉寺街道だった。後は、集落間を結ぶ道があるだけだった。

 その後、国道ができたり、南部中ができたり、都市開発が進み、周辺は二つの学校の周辺は住宅地へと変貌していった。そして、ホームセンターやスーパー、病院など生活に必要な店舗が並び、集合住宅もできていった。いずれも、学校を中心に周辺が市街化していったのである。

勝山高校界隈この60年余
 勝山中学校と併設していた勝山高校が火災になり、勝山高校は、長山の麓へ移転することになった。あれから70年近くが過ぎた。

 勝山高校界ができた頃は、北側は長山公園、西側は狭隘な道の市街地、南側は精華高校(現奥越特別支援学校)東側は山地や三谷集落(現昭和町2)に囲まれていた。

 元々周辺が広がりようのない狭隘に地であったためにが、西側に国道ができたこと以外はほとんど同じような状況である。そのため、この70年近く、周辺は他の地域に比べて変化の少ない地域であった。

 ここに、新たに、勝山唯一の中学校を建てることにどのような意義があるのだろうか。以前にも書いたが、高校よりもはるかに大きな新中学校が建設されれば、何もかも高校と共用しなければならず、果たして、どちらの学校に対してもプラスになるのだろうかと考えてしまう。

 そして、勝山高校と新中学校との併設が、勝山高校の定員割れに起因していること、そして、中学校を併設すれば、勝山高校への進学者増が期待されると考えていること、併設すれば連携による教育効果が上がると期待されていること。これらのいずれもが果たしてそうかと多くの人が疑問を抱いていること。

 以上を考え合わせると、この学校再編問題を少なくとも、もう一年考え直してよりよい方向性を見いだすべきではないのかと私は考えるのだが、皆さんはいかがお考えでしょうか。

 

中学校再編~高校の立場で考えると~

12 3月

中学校が併設されると高校生や高校教員にとってどんなメリットがあるのだろうか
 現在の勝山高校のグラウンドに中学校が建設されると、高校生や高校教員にとってどんなメリットがあるのだろうか?急には思いつかない。今回の勝高併設案は、元々勝山高校の活性化とか、定員増を期待されてのことだと何度も説明されてきた。

通学方法が大きく変わる高校生
 中学校が併設されれば、現在の勝山高校やその中にできる中学校へ通う生徒の総数はかなり増えることになる。そのため、北部中校下全域、南部中校下の大部分の生徒がスクールバス通学を強いられることになる。そうでなければ家庭の車による通学になる。

 従って、現在の勝高生はバス通学、家庭の車での送迎のいずれもが、ジオアリーナにできるバス停か駐車場で車を降りなければならないことになる。そこから、国道157号線を横断するために、中学生と共に地下通路を通らなければならないことになる。

 現在の想定では、おそらく中高生の半分以上が短時間にこの地下通路を通らなければならないために、そこでは、相当の混雑が予想される。地下通路は現在の計画では「上履き帯」と「下足帯」に二分されているために、地下通路の幅はそんなに広くは取れないので、追い越しも簡単にはいかないだろうから、中高生の歩く速さが異なればいずれにもストレスになるであろう。

中学生との校舎の共用はどうだろうか?
 現再編計画では、2つの体育館やグラウンド、図書館(メディアセンター)は中学校と共用されることになる。また、高校の特別教棟の一階には中学校の理科室や技術室、2階には高校の理科室、3階には中学校と高校の各音楽室、そして各階には中高の共用部分があるという環境は、高校生にとってはどうだろうか。

 常に、高校生は、中学生と出会うことになるのである。それが高校生にとってどのようにプラスになるのだろうか。中学校の先生方とも、何かにつけて出会う環境は高校生にとってどうだろうか。

 高校生は、中学校の先生と常に出会う環境を嬉しいと思うだろうか、それとも、一度は離れてみたいと思うだろうか。いろんな情報が双方に入ることになるだろう。果たして、高校生はどう感じるだろうか。

 校舎やグラウンドの使用、そして、部活動の場所を巡っても、年下の中学生を優先させて考えるべきか、それとも、元々高校の校舎に中学校が入り込んできたのだから高校生を優先すべきではないのかなど、意見の分かれるところであろう。どちらもゆずりたいし、ゆずりたくはないと悩むであろう。

高校の教員にとってはどうだろうか
 高校の教員にとって、中学校の校舎が併設されることにどのようなメリットがあるのだろうか。何かにつけて、連絡調整しなければ実施できないようなことになりはしないのか。

 何か問題が発生した場合に、その責任問題はどうすればよいいのだろうか?県立と私立が校舎を共有すれば、どのような問題が発生しどのように対処すべきか、予算的にどちらがどのような割合で負担すればいいのだろうか?

 何か行事を行う場合に、中高が一体となって行うべきか、独自に行うべきか、いずれの場合にも、両者の調整が必要となろう。煩わしさを上回るメリットが発生するのだろうか。

 進路面で、期待されるように中学生が併設される勝山高校に進学するのだろうか?元々、中学生は多様な方向に進むことになり、併設によって普通科という特定の学科へ進む生徒を増やすことができるのだろうか?

 精神的にもリセットしたい時期にある高校生や中学生が、中高一貫校でもない学校で6年間学校生活を送りたいと思うだろうか?一度は地元を離れて新たな場所へ旅立ちたいと思うのが、この時期の子ども達の素直な気持ちではなかろうか?

 高校生や高校教員とのこうした様々な議論が不足したまま、現計画が進められていることに違和感を覚えるのは私一人だろうか?今一度、検討する時間を持ってもいいのではないかと私は思うのだが。

高校生の登校経路は、「校門方向」と「ジオアリーナー地下通路方向」とに二分されるが

 

 

新中学校はベターな選択、ベストな環境か?

09 3月

現在の中学校再編計画が実現したら

 現在、細長い勝山市には3つの中学校が存在している。しかし、その3校を廃校にして勝山高校に併設(グラウンドの中に1棟のみ建設)する計画が進んでいる。そして、多くの市民がそのことに疑問を持っている。

 そもそも、高校のグラウンドの中に中学校を建設しようという発想は、長年続く勝山高校の定員割れを防ぐことと、新たな敷地を求めず中学校を将来に備えて1校に統合しようということからきたものだと思う。

 元々中学校を建設する余裕のない勝山高校の敷地に、市内唯一の中学校を建設すると決めたために、面積的には校舎は一棟しか建設できないことは最初から分かっていたはずだ。

 そのため、当初、市民説明会では5階建ての中学校を建設するとしていた。勝山高校の3階建ての特別教棟(理科室・家庭科室・図書室などがある)の南側に近接して5階建ての建物を建設せざるを得ないこと自体、この計画に無理があったのではなかろうか。

 当然、中学生には5階建ては危険なこと、3階建ての南側に近接して5階建てを建てれば勝山高校の特別教棟が日陰になるなどの理由でこの案には異論が出て取り下げられた。当然であろう。

 それにしても、グラウンドの中に校舎が建つとなれば、高校の硬式野球の防球ネットが中学校の校舎に面してできることになり、教室の中から見れば、鳥籠に入ったような景色が広がることだろう。

 それに、授業中は、中学校、高校の体育の授業のホイッスルや生徒達の発する声が生徒達の耳に届くだろうし、放課後は、甲高い硬式の打球音など部活動の騒音が聞こえることになるだろう。決してベストな環境とは言えないと思うのだが。市長はマスコミに「ベターな選択、ベストな環境」と発言して新聞に掲載されている。当然のように議会ではこのことに関する質問が出ている。

次々と変わる中学校再編計画
 その後も、市教委の『勝山市立中学校再編計画(修正案)』では「勝山高校の校舎において、中高共用の理科・音楽・美術・家庭等関係の諸室を整備するとともに、中学校の校長室・職員室等を設けて中高教職員の緊密な連携を図る配置を検討します。」としている。

 中学校の校舎の中に、校長室や職員室がなければ、何か事故なり事件が起こったときにはどう対処すればいいのだろう。少し考えれば分かるはずだが、このように未熟な計画がどんどん出てきては、慌てて改めることを繰り返している。しかし、昨年度にはこうした基本計画立案のための予算が可決してしまった。

 もっと時間をかけて、中学校の統廃合問題を考えるべきではないかと私は思う。しかし、現実には、市当局はこの勝高併設案を何が何でも通そうとして、機会ある毎にそのことを説明している。

 そのため、今勝山では、勝高併設案を強行突破しようとする案に賛成する人たちと、再検討を促す人たちに二分されている。市内で唯一の新設中学校を勝高に併設するということは、この細長いまちに絶妙に配置されている現在の三中学校を廃校にすることでもあるので、かなりの市民が真剣に成り行きを見守っている。

 はっきり言えることは、計画がかなり未熟であるままに、強行されていることである。予算を通して、準備委員会では、校舎の配置を考えているが、考えれば考えるほど、いろんな問題が出てきて、現在、四案だったものが七案になっている。

 それは、登下校方向が、現在の勝山高校の校門方向(西側)と、国道157を挟んだジオアリーナ駐車場方向(東側、地下通路を通って学校へ入る)とに、二分されているからである。周辺の道路が狭いことから来ている。

 それで、この三月には更に実施計画のための予算が可決しそうである。勝山市民だけではなく、勝山市出身者の皆さん、そして、勝山市に関係のない皆さん方にも是非考えていただきたい。ご意見をいただければ幸いです。ちなみに、私は再検討をしていただきたいと願うものであります。

最初、市民説明会で示された5階建の中学校校舎イメージ図
 

我がまちをどうするか

04 3月

現行中学校再編案がベストか?
 今回は、下のイラストマップを見て、「現行の3中学校を廃校にして、勝山高校の敷地に新しい中学校を建設する案がベストなのか?」をよく考えていただきたい。今が、考え直す最後のチャンスかもしれません。

勝山は九頭竜川に沿って細長く伸びているまちです。中央部は山に挟まれて狭く、両端が広がっている地形です。

まちづくりの観点から見てどうでしょうか
 〇子育てのしやすいまちになるでしょうか?
 〇いつまでも住み続けたくなるまちになるでしょうか?
 〇誰もが夢や希望のを持てるまちになるでしょうか?
 〇他の地域から住んでみたいと思えるようなまちになるでしょうか?
 〇子ども達が地域と繫がって楽しく暮らせるまちになるでしょうか?
 〇誰もが、いつでも、子ども達の生き生きした姿に出会えるまちになるでしょうか?
 〇バスや自家用車でしか通えない学校をつくって、将来の子ども達に誇れるまちになるでしょうか?
 〇コンパクトに教育施設を一カ所に集めることによって子ども達が伸び伸び育つまちになるでしょうか?

慌てずに、今一度、考え直してもよいのではないでしょうか?

一度決めたら、簡単には引き返せないのですから

 

 

「高校の先生の移動が楽だ」に違和感

02 3月

中学生の移動はもっと大変ですよ
 中学校再編に関して、市の関係者や準備委員の発言を聞いていて、いつも違和感を感じるのが次の発言だ。
「中高を併設すれば、高校の先生が簡単に中学校の教室へ行くことができる」というものだ。

 現在の計画では。英語と数学の授業で中高の教員のTT(チームティーチング)を実施するという。中学3年になったら、週に一度実施するとのことだ。高校の教員に事前の説明があったのだろうか。

 TTなどでは、高校の教員が簡単に中学校の教室に出向くことができるとの考えからの発言だろう。もちろん、他の場合もあるだろうが。

 中高併設すれば教員は容易に移動できるが、その裏では、併設によって遠距離通学を強いられる生徒がその何十倍も生まれるのだということに想いを馳せてほしい。毎日、数百人の生徒がバスや家庭の送迎、自転車で学校へ通うことになるのが統廃合によって生じる現実なのだ。 

 文科省の規定では、「中学生の通学距離は6km未満であることが望ましい」としている。しかし、特例としてそれを超えても認めるとある。あくまでも、特例によって認められるということだ。

 今回の再編によって、通学距離が6kmを超える生徒達がたくさん生まれる。6km未満でも通学は大変だろう。3kmを超えたらバス通学をしてもよいと決めてるそうだが、それは3kmを超えても通学は大変だからだろう。

 距離の遠近にかかわらず、中学生の多くは日々の登下校に対しては苦労するだろう。施設を共有しなければならないので、時間的には、何もかも高校生に合わせなければならないからだ。特に下校となると、季節によっては早く暗くなり、寒くなって心細いことだろう。

 大人は、5kmや10kmの距離は、車で10分程度で移動できるだろう。今後、間違っても、「併設によって、高校の先生の移動が楽になる」などと発言してほしくない。説明会などで、こういう言葉を市の幹部から何度も聞いたが無神経なことだと思う。これは他の人たちからもよく聞くので、一度書いておきたいと思う。

 それと同時に、事ある毎に、「併設すれば高校の先生の授業を受けることができる」とメリットとして繰り返すのもどうかと思う。義務制の教員に対して失礼ではないかと、少なくとも私は感じる。両方を経験しているから尚更だ。

勝山南部中学校の周囲には住宅地や田んぼが広がる。

 

ものには長短、裏表あり

01 3月

どんな立派なモノにも長短はある
 私たちの生活に欠かせない車だが、その良さは今更言うまでもないだろう。しかし、その裏で、車の事故で何人の尊い命が失われていることであろうか?

 いくら悪気がなくても、事故は起こるのだ。そして、かけがえのない命が失われ、甚大な後遺症が残ることもある。交通事故死のデータだけでは、本当の姿は分からない。なぜなら、交通事故死の定義は、24時間以内になくなった方の数だからです。実際には、もっと多いのです。

 新幹線はありがたい。これもそのメリットは言うまでもないだろう。しかし、その裏では生活の足である在来線の経営は悪くなる一方である。通勤・通学の足となるのは、細かく停車する在来線だ。しかし、新幹線に客を奪われてダイヤは間引きされ、運賃は上がり、挙げ句の果てに廃線となりかねない。

 また、在来線はマイカーの影響をもろに受けやすい。北海道では少子化と共に、こうした影響を受けて次々と廃線になっているのだ。必ずしも、新幹線万歳とも言えない。

 デメリットにも目を向けて対策を考えてほしい。それが心の通う行政というものあろう。

行政は公正な判断を
 今我がまちでは、中学校の再編問題が起こっている。高校の敷地の中に、体育館もグラウンドも特別室も持たない勝山の中学校を建設するというのだ。既存の三つの中学校を廃校にしてのことだ。

 これだけ聞いただけで、メリットを感じるだろうか。現市長も前市長も市会議員の大半も市教委も、メリットばかりを強調している。そして、ホームページで、市の広報誌で、時にはLINEを送り付けたりしてメリットを強調している。

 市民説明会を何度開いても、「勝山高校に併設したらこうなる」と、現場の中高教員が一番懸念する勝高併設の部分を避けてメリットばかりを強調する。「県下に誇るジオアリーナがあり、長山グラウンドがある」ともっぱら強調する。

 勝高グラウンドは、高校が使うだけでも狭いので、ここに中学校の校舎を建てたら、尚更狭くなる。中学校は長山グラウンドで部活動をやれと言っても不可能(準備委員も指摘)。ジオアリーナも高校が部活動で使うので、今は半分程度しか空いていない。ここで、大きくなった中学校の全ての部活動ができるわけがない。(これも準備委員が指摘)

 思考を停止すれば、市の説明に納得してしまう。それは、明けても暮れてもメリットばかりを強調するからだ。今や現役の教職員も高校併設前提の意見しかいわない。市民が一番疑問視している「勝高併設」の部分には触れない。

 残念ながら、今の勝山には、忖度と、沈黙と、なれ合いと、思考停止が横行している。市が動いて、県(県教委)が動いて、多くの議員が賛同をしているので、「いまさら元に戻すのか」との声の方が大きくなって、市民の無力感が増すばかりだ。

 「もう決まっているんにゃろ」は多くの市民から聞かれる声だ。もっと市民の、特に中高生の声を聞ける行政であってほしい。デメリットも含めて。判断はそれからだ。

 どんな人が聞いたって、子ども達が聞いたって、「グラウンドも体育館も特別室も持たない市内唯一の中学校を、あまり広くもない高校のグラウンドの中に建設する」と聞いたら、おかしいと感じるだろう。私はそう思った。

 これでメリットばかりを強調する市の姿勢に、私は諸手を挙げるどころか、我慢しても賛成できずにいる。我が子も我が孫も、既に勝山にいないので、無視できたらどれだけ楽になるだろうと何度思ったことか。

 私の中の私が沈黙を許さない。いかに、どのようなレッテルを貼られようとも……!黙っていたら私が私でなくなる!

「ここが君たちの新しい中学校です」って言えますか?
 

小規模校での経験

26 2月

小規模校での経験
 私は、教員生活3年目に、平泉寺小中学校の中学校1年(1学年1クラスのみ)の担任になった。自分はそれなりに、一生懸命生徒達の指導にあたってきたが、それでもこれでいいのだろうかという不安はあった。

 「井の中の蛙、大海を知らず」になってほしくない。山村の小さな中学校の子ども達のことだ。何とか、大きな中学校で、その様子を見て来て、クラスの他の生徒達の刺激になってほしいという願うようになった。

 そこで、当時の中村一郎校長先生(我が生涯で最も尊敬する先生)に、「子ども達を勝山中学校で一日過ごさせてもらえませんか」とお願いすると即座に「いいでしょう」という返事。

 私のクラスの希望する生徒4人は、1学年7クラス(だったと思う)の勝山中学校のT先生のクラスへお世話になることになった。とにかく、朝の会から、授業、帰りの会、そして、部活動まで、全て勝山中学校の生徒として過ごすのだ。

 そして、生徒達は、何事もなく楽しそうに帰ってきた。少しは勉強してくれただろうと思っていた。ところが、こちらが忘れかけた頃に、今度は、勝山中学校のT先生のクラスだけではなく、他のクラスからも、「平泉寺中学校で勉強させてほしい」という申し出があったのだ。

 事情を聞いてみると、驚くことに勝山中学校の生徒達が、4人の生徒の言動に刺激を受けたというのだ。T先生のクラスの成績は学年でも下位の方だったらしい。ところが、平泉寺の4人に刺激を受けて、急に勉強に励むようになり、クラスの成績が学年で上位になったというのだ。

 そのため、この話を聞いた他のクラスの先生方も、平泉寺中学校で勉強させたいということになったらしい。勝山中学校の各クラスから希望する生徒が平泉寺中学校の私のクラスにやって来て、平泉寺の子ども達と一緒に授業を受けることになったのだ。(当時、勝山中学校の先生方も心が広いなあと思ったものだ。)

4人のサムライ
 このことをT先生は当時の学校の新聞に『4人のサムライ』というタイトルで寄稿されたのだ。学校というのは、大きさだけが大切なのではない。何を学ぶかではないかと思う。

 前をしっかり向いた校長がいること。できれば数年は同じ学校で勤務すること。そこに、前を向いた教員が少なくとも、何名かはいること。そうすれば、学校はきっと、前に向かって進むことになる。生徒も先生も。

 同じような経験は、小規模校ではないが、高校教員になってからも、経験することになった。ある時期、成績低迷していた高校が一躍進学校に。そして、甲子園出場まで果たすことになったのだ。

 ちなみに、高校の校長は地元出身で5年間継続して勤務して下さった。生徒にも、先生にも檄を飛ばし続けられた。『事を為すのは人である』と考えるようになったのは、このようないくつかの経験から得た確信から来ている。

1学年1クラスの中学校。これで駅伝も、連合体育大会も、合唱コンクールも、スキー大会も出場するのだ。
令和5年 左義長まつり『どんど焼き』 皆さんの幸せをお祈りしてきました。
 

現役の中・高生の声を聞きたい

25 2月

下図を見てどのような学校生活が始まるか、想像できますか?
 現在、市のホームページに示されている特別教棟の中高特別室(中・高音楽室、中・高各理科室、家庭科室など)の配置計画です。高校の特別教棟を中学校と高校が使うというもので、中学、高校の中間に位置しています。

 将来の中高生には想像しがたくても、現役の中高生には容易に想像できるでしょう。もしも、中高の授業でみんながこの配置図を見て、話し合いを持ったら、それこそいろんな意見が出てくるのではないでしょうか。

 校舎の中で、ことある毎に、中学校1年生から高校3年生までの生徒が出会うことになるのです。それだけではなく、勝高に進学すれば、中学校の先生にも常に出会うことになります。

 中学、高校にはいろんな生徒がいます。このような環境をよしとする生徒もいるでしょうが、耐えられないと感じる生徒もいることでしょう。後者の生徒はおそらく、他校への進学を希望することでしょう。

 これは特別室での授業だけではありません。体育の授業もそうです。勝山高校の二つの体育館やジオアリーナを共用するのですから、頻繁に年齢幅の大きな生徒達が出会うことになるのです。

 更に、登下校時のバスの中でも、バスを降りても、狭い地下通路を一緒に通らなければ学校へは入れないのですから、一緒に行動せざるを得ないのです。家庭の車送迎の場合にも、地下通路は同様です。

 私の、これまでの聞き取りでは、単独の中学校、高校の場合でも、上級生はかなり怖いとのことでしたから、中学校1年生と高校3年生では萎縮しないかと心配です。

 中高一貫校の生徒にも聞きましたが、高校生とあまり交わらない方がいい。教室が離れているだけでもありがたいとのことでした。朝の登校から、授業、そして、下校までこのような環境になった場合、果たして当事者達はどう思うでしょうか。今の子ども達に、想像してもらうしかないでしょう。

 0歳から15歳のお子様がいる保護者の皆様に対して説明会(各家庭1名限定)
 将来、再編した中学校へ入学する可能性のある子どもの保護者に対してできる説明とは、既定の方針を説明するしかないでしょう。市民の疑問には答える場にはならないでしょう。

 上記のような問題は話題にもならないでしょうし、誰も想像できないでしょう。しかし、子ども達は、大人の決めたこうした環境に飛び込んで行かざるを得ないのです。いろいろ想像してみて下さい。