ハワイアンギターを持参して
おじさんバンドで知り合ったKSさんが同級生の友達KTさんを連れて事務所へやって来た。「ハワイアンギターをやりたいので教えてほしい」とのことだった。私がハワイアンギターを教えられるわけではない。最近、昔の楽器を取り出して弾き始めただけだ。
このKTさんだが、勝山でフラダンスを教えている講師のKWさんの弟さんだ。このKWさんを勝山に呼んだのは私だと思っている。市民大学講座で「フラダンス教室」を開いた際、大野市でフラダンスを指導していたKさんを知り、勝山での講師をお願いしたからだ。
KWさんはかなり長期間、勝山でフラダンスを教えて下さっているのだ。後で分かったことだが、このKTさんも男性ながらフラダンスをやっているとのことだった。今日は、最近買ったハワイアンギターを持って私の所へ来たのだ。買ったギターの音がよくないと嘆いていた。
私が、今使っているハワイアンギターは50年前に買ったものだ。浜松での演奏会当日、第6弦のねじが壊れて第6弦は使用不能になり5本の弦で演奏会に臨んだのだ。不幸中の幸いで第6弦はメロディーを弾くのにはあまり影響はなかったからである。
浜松では、「帰ったら絶対に新しいハワイアンギターを買おう」と思っていたのだが、いざ帰ってみると、この50年前の古いギターを捨てる気にはならなかった。「間に合わないから捨てる」とは行かない。それは今の自分に重なるところがあるからだ。
青春時代を共に過ごしたこのギターは自分の分身である。そう思うと、新しいギターを買う気にはならなかった。自分を捨てるようで。そこで、楽器屋にお願いして修理してもらったのだ。今は以前のようにきれいな音を出してくれている。
今日は、ハワイアンギターの調弦法やアンプとの相性、音質を買える機器の話しなどした。ハワイアンギターは普通のギターとは異なり、調弦法がいろいろあるのだ。KTさんと私の調弦法は異なっている。互いに一長一短があるのだ。
私のハワイアンギターは高級品ではない。しかし、アンプとの間に補助的な機器を接続すれば自分の気に入った音が出るのだ。これによって、このギターは自分にとっては高級品と同じ値打ちがあると思っている。KTさんもこの機器は気に入ったようだった。
KTさんは66歳だ。ハワイアンギターの難しさは曲を完全に暗記しなければならないことだ。楽譜を見ながら弾くことは困難な楽器だ。手元が狂ってしまうからだ。曲を覚えることは若いうちは簡単だったが、年齢が高くなるにつれて困難になる。
私はオカリナもやっているが、これは完全に楽譜を見ることが出来る楽器だ。従って、音階をしっかりと身体(指)で覚えれば後は、曲が変わってもそんなに気にならない。
KTさん達と、そんな話をした。従って、若い頃よりも、たくさん練習しなければしっかりと暗譜できない。手が勝手に動くくらいに練習しなければ身につかないのだ。完全に覚えたと思っても、弾けないこともあるのだ。
演奏の難しさは、定められたリズム(速度)で、速くも遅くもならないで、確実に音を出さなければならないのだ。考えている暇はないのだ。あたり前のことだが、これはかなり大変なことでもある。他の仕事なら、自分のペースでやればよいのだが。
約2時間半、私の事務所で音楽についていろいろ語り合った。“友達の友達は友達だ”ではないが、こうして音楽をやっていると、いろんな人と知り合いになれるのが嬉しい。それと、自分も楽しみながら頑張ろうという気になるからだ。
私も、予てから弾きたいと思っていた“ある曲”について挑戦したいと思っている。特殊な奏法の曲だ。ハーモニックス奏法というものだ。50年前に弾きたいと思っていた曲だ。今日、KTさんが持っていた教則本にヒントが載っていたのでコピーさせてもらった。
また、新たな挑戦課題が見つかった。やはり、音楽は私に“生きる力”と“楽しみ”を与えてくれている。これからも、いろんな楽器に、いろんな曲に挑戦したい。
(日記 午前中、ハワイアンの練習用CD作り。本当は雪囲いをしたかったが、午後「おじさんバンド」の仲間が友達を連れてくるのでそこでも使える練習用CDを作ったのだ。午後2時から4時半まで私の事務所で、バンド仲間とその友達の3人でハワイアンギターの演奏などについて話し合った。楽しい時間であった。)