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Archive for 11月 18th, 2011

気になる“先回り育児”

18 11月

『平成23年度児童委虐待防止研修会』に参加して
   子育てマイスターとして、『平成23年度児童委虐待防止研修会』に参加するために、大野市の「学びの里・明倫」へ出かけた。そこで、日本福祉大学・子ども発達学部・子ども発達学科の渡辺顕一郎氏の講演を聴いた。

  演題は、『地域で子育てを支える~児童虐待予防を中心に~』で、次のような内容の話しがあった。

1.子どもの孤独と自己肯定感
 (1)ユニセフレポート (2)日・韓・米・中の4カ国の国際比較調査
2.子どもの自己肯定感をん育むことができない現代社会
 (1)社会関係の希薄化 (2)先回り育児 (3)社会における母性・父性の希薄化
3.ハイリスク(虐待などのリスクが高い)と呼ばれる家庭
 (1)経済格差と貧困 (2)重篤な虐待に発展するリスク要因
4.人と人とが支えあう、育みあう関係をつくりだす
 (1)地域で子どもを育む (2)地域で子育てを支える (3)児童福祉施設を解放する(施設の社会化) (4)現代の子育ての背景をよく理解し、親の気持ちに寄り添う支援者が存在する (5)子どもの個性を受け止め、自発的な遊びを大切にする

 “先回り保育”とは、「現代の母親は、子どもを守ることを優先するあまり、幼い子どもの遊びを誘導したり、子ども同士の関係に介入しすぎる傾向があり、子ども自身の他者への関心や交渉能力の育ちをそいでしまっている」ことを言うそうだ。

  このことは、私自身が予てから心配していたことだ。考えてみれば、子どもは生まれたときから、保育園や幼稚園で育ち、小学生になれば、学校、児童センター、スポーツ活動、習い事などで大人の指導を受けることになるのだ。これが高校を卒業するまで続くのだ。

パワーポイントを使いながら講演する日本福祉大学の渡辺顕一郎氏

  昔のように、子ども達だけで行動する機会は、めっきりと減ってしまった。いつでも周りに大人がいて守ってくれる(介入する)のだ。自分たちで創意工夫をこらしたり、問題を解決したり、我慢をしたり、他者を思いやるなどの機会は激減してしまったのだ。

  果たして、これで何かと問題の多い21世紀を乗り切れるのだろうか。自らの考えで行動し、自分の言葉で語る機会がめっきりと減ってしまって新しい時代を乗り切れるのだろうか。講師の先生のおっしゃる“先回り育児”が横行しているのではないかとこれまでずっと気になっていたのだ。

  講演の後、質疑応答が行われ、「男子の草食化」についての質問があったが、講師の先生の考えは、「男性の草食化は、今の時代に合った生き方ではないのか。今の時代は、男性が「俺が食わせてやる」と女性に言えない厳しい時代であり、女性の方も、「私も働くのだから家事は女性と決めつけないで」と考える時代になっている。従って、男性は草食化せざるを得ない。」というものだった。納得できる答えでもある。

完成した庭木の雪囲い

 地域で子育てをいかに支えるかが、これからの問題である。子育てを社会全体で考えていかなければならない時代になっているのだ。退職してもその感をいっそう強くした。

(日記 午前中、庭木の雪囲い。午後2時より、大野市での『平成23年度児童委虐待防止研修会』に参加。参考になることが多かった。帰りがけに、十数年前の大野高校勤務時代に担任した大野公民館職員のYさんと会った。しばらく、話しをした。当時はバスケットボールの国体選手で福井県選抜に選ばれ、福井市での合同練習に参加しなければならず、越美北線の列車の中で模擬試験を受けたという頑張り屋だった。昔も今も笑顔も性格も可愛い女性だ。)

久々にあった大野高校時代の卒業生(私のクラス)のYさん

 
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