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ワーク・アンド・ライフ・バランス

20 2月

ライフがあるのか?
 最近、「ワーク・アンド・ライフ・バランス」という言葉がよく聞かれる。それは、「仕事と生活の調和」と訳され、「国民の誰もが生き甲斐を実感しながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、それぞれの年齢に応じて多様な生き方が選択・実現する」ことを指しているように思う。

しかし、周囲を見渡すと「ライフ」がどうかなと思う場合がある。私が67歳で完全に退職したとき、町中で出会った数人から「暇やろ。何もすることないやろ」とよく言われたものだ。

私は、退職してから5年が経ったが、暇で何もすることがないと思ったことはない。ただし、自由時間がないというわけではない。なぜなら、やりたいことはたくさんあるが、それらを先送りすることができるからだ。

ところで、今から100年ほど前の人達の、「ワーク・アンド・ライフ・バランス」はどうだったのだろうか。調べようもないが、当時の地区の行事を調べてみると農作業とは別にずいぶんたくさんの行事があったことが分かる。

そのうち2月の行事のいくつかを紹介すると次のようなものだ

◇二月◇・・・・・・。(『片瀬誌』より)・・・・・・・・・・
・旧の正月(二月一日二日三日は休業。朝食に雑煮、夕食は数の子、煮豆、鯖の寿司を食べ、酒を飲む。正月の三日間は深夜神社へお参りし、続いて道場へお参りする。素晴らしい風習なので今後も続けた方がよい。)
・書き初め(二月二日。小学生などは短冊を書き、左義長まで庭の前に立てておいた。)
・使い初め(二月四日。仕事始め。青年会では三日の夜を仕事始めとし、四日は休む者があった。)
・初寄り合い(二月四日。区民の総集会。行政に関する種々の協議をする。)
・延年・七草節句(二月七日。他区、他町村の親戚を招いてもてなす。七草節句としては、七菜五穀をあわせてお粥を作った。)
・左義長(二月十四日。藁を集め、広畑で門松にかけ、夜、これを燃やした。この際、書き初めを生竹に吊して持ち集まった。また、年中仏壇に供えた花を持ってくる者もあった。)
・例年法会(二月十五日。宗祖見眞大師の御忌日にあたり法会を行う。)※親鸞聖人は、明治九年に明治天皇より「見眞大師」の諡号(しごう:おくり名)を追贈されている。
・十八粥(二月十八日。朝食に小豆粥を作り、これを柿の木の幹に鉈(なた)で傷を付け、切れ目に挟み込む。)
・御宮酒(二月二十日。春祭りと称し、氏神様に祈祷を行い、お供酒のお下がりをいただく。そして、老若男女は重詰めのご馳走を持ち寄り、宮番の家で酒宴を開く。この日は、田舎芝居があったり、各自が得意の芸を披露する。氏子にとっては、一年のうちで最も楽しい日。)
・天神講(二月二十五日。昼食に小豆飯を作る。また、正月以来床の間にかけておいた天神様を片付ける。)
・紀元節(二月十一日。三大節の一つで休業日とする。)
※三大節とは、旧制の三大祝祭日。すなわち四方拝・紀元節・天長節の総称。
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このように、たくさんの行事を家庭や地区でこなしたのかと思うと、頭の下がる思いがする。厳しい農作業の合間にもこのようにたくさんの行事をこなしたと思うと尊敬に値する。

(日記 午前中は数学。このごろ結構作業がはかどっている。衆院予算委員会の実況を聞きながらの作業だった。総理も正月前後は、連日、映画、観劇、ゴルフ、フイットネスクラブと正に「ワーク・アンド・ライフ・バランス」を実施していられたようだ。もっとも、危機管理上の問題で責められてはいたが。そう言えば、今日は私の72回目の誕生日。年齢は異なるが長島監督も今日が誕生日だ。ジャンパーのプレゼントがあり、孫達から手紙をもらった。)

 
 

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