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Archive for 12月 23rd, 2013

道場参り

23 12月

御正忌
 今日は村の道場で『御正忌』が行われた。浄土真宗では、開祖親鸞聖人の忌日に行う法会である。昔は、たしか「しちにっつぁん」とも言っていたように思う。

 私達の子供時代には、宗教行事ではあったが楽しみの一つでもあった。と言うのも、子供時代にはテレビなどがないために、子どもたちは、喜んで親や祖父母と道場へお参りしたものだ。

 その際、「米ふかし(煎り菓子)」や「かち栗(ゆでた栗を数珠のようにつなぎ乾燥させたもの)」や「みかん(高価なので一つか二つ)」をなどを持参して参ったのだ。

 読経の間は、道場の囲炉裏の回りで雑談をしたりトランプをしたりして遊んだものだ。そして、説教が始まると道場に正座して聞き入ったものだ。

 道場は、宗教の場であるばかりでなく、巡回映画の上映場所、演劇などの舞台、村の総会などの場所、夏には子どもたちの遊び場や勉強の場所でもあった。

 私がギターと出会ったのも確か、この場所だったと思っている。先輩達のギターを聞き、その音色に魅せられてギターを始めたのだ。道場はいろんな思い出のある場所だ。

 今日、道場へ集まったのは、60歳以上の男女が20人前後だっただろうか。そのうち男子は、6、7人。いずれも、昔、道場で遊んだ経験のある者ばかりであった。若者も子どもは一人もいなかった。全員で読経し、話を聞き、お茶を飲んでしばし歓談し帰宅した。

 道場で過ごした経験のある者は50代後半以上ではなかろうか。今後、このような宗教行事はどんどん廃れていくだろう。その他のいろんな行事も簡素化されたり、廃止になっている。

 かわりに、テレビやゲームなどが出て来て、若者や子どもたちは退屈することはないだろうが、大人になるための大事なものを身に付けないで育っていくような気がしてならない。

 成長して、それらが大切であることに気がついた頃には、味気ない社会ができているのではなかろうか。「今さえよければよい」と言って、いつまでも「今」がよくなるとは限らないように思う。そんなことを考えた道場(寺)参りだった。

(日記 午前中は道場参り。午後は、昨日軽トラックに積み込んだ粗大ゴミなどをゴミ処分場へ持って行った。帰宅してからは、数学の問題作り。その後、今週発行の瓦版の絵描き。 )