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米という字

22 8月

米作りの簡素化
  「米」という字は“八十八”と書く。それほど米作りには沢山の種類の仕事があるのだ。しかし、最近の米作りは、機械、化成肥料、農薬などによってずいぶん簡略化したように思う。

  私が知っているだけでも、ずいぶん簡略化したように思う。昔と今を比べるとずいぶん違う。

《田作り》 馬を使い、「鋤」で荒起こしをし、次いで「輪車」で土を砕き、さらに「万鍬」で土を砕き、田んぼを水平にし、最後に「いぶり」で田んぼをならすのだ。肥料は、馬の糞などで作った堆肥をまいたりした。……今なら、トラクターだけでこれらの作業をこなす。しかも何倍の速さで。肥料は化成肥料で済ませる。

《苗作り》 水につけて芽出しをし田種を、苗代に播く。成長を促すために燻炭を播いたりする。……今は、JAから苗を買う。

《田植え》 苗代から、苗を取る。一方田んぼの方は、水を落とし、枠を回して田んぼに苗を植えるために印を付ける。ここに、人力で苗を植える。時間のかかる退屈な仕事なので、「結い」によって一気に終える。……今なら田植機一台で終わる。能力は人間の比ではない。

《除草》  手で草を取ったり、人力の除草機を回す。かなりの重労働だ。……今なら農薬で終わる。しかし、農薬も万能ではないが。

《稲刈りと脱穀》 稲刈りには稲刈り鎌を使って、人力で行う。例えば、午前中稲を刈ったら、株の上に並べておく。乾燥のためだ。午後、それを裏返しにしながら束ねる。さらに、それらを夕方田んぼから運び出し、荷車で「はさ」まで運び、「はさ」に架けて乾燥させる。「はさ」から下ろした稲は、自宅へ運び脱穀する。脱穀した籾は、むしろを並べて何度も天日で乾燥させる。この乾燥作業はホコリが立ち、身体が痒くなる。……今なら、コンバインで稲刈りと脱穀を同時に行う。

《精米》 機械で臼すりを行うことによって、籾が「玄米」になる。……今なら、コンバインで刈り取り脱穀した籾はカントリーへ運び、乾燥、臼すりなど全てを行う。

かがむと顔に稲があたり、痒くなるので、ほおかむりをしながら「ヒエとり」をした。

  機械化などによって、作業効率は上がり、手間もかからなくなった。米という字は「十」と書いても良いくらいだ。とは言っても、例えば除草剤などはうまく使わないと「効き」が悪く、ヒエや雑草などが生える。

  私の田んぼも法人に預けてはいるが、水の管理や畦の草や稲の中に生える草取りは、原則として田んぼの持ち主がやることになっている。ただし、できない者は法人に頼めばよい。昨年までは私もそうしてきた。

  もし自分の田んぼの雑草などを取った場合には、ちゃんと賃金が出るのだ。時給は今年から1,000円だ。これが、農事組合法人のやり方だ。ヒエとりは簡単だが、長時間続けるのは大変だ。でも、短時間なら、こうした作業をそんなに苦にならない。退職してから、そう考えられるようになった。

(日記 午前中、福井のY整形外科で、腱鞘炎の手術の後のリハビリに出かけた。午後は、自分の田んぼのヒエとり。その後、里芋の小ずいき切り。秋に美味しい里芋がとれるだろうか。楽しみだ。午後7時半からオカリナ教室。終わる直前にみんなで民踊を踊った。平泉寺の祭りの踊りの指導を頼まれているので、みんなで事前に練習してみた。)

 
 

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