昔は悠長
今から30数年前だろうか?学校勤務時代には、いろんな行商の方々が学校を訪れて職員室でいろんなものを販売していました。
背広、ネクタイ、健康器具、健康食品、花の苗。書籍、……。今なら、勤務時間中にこうした人達が校内へはいることは禁止されていますが、当時はおおらかでいろんな職種の方々が学校へやって来たおかげで、いろんなものを買うことができました。
「このネクタイ、似合いますよ!今の背広にぴったりですよ!」などとネクタイ売りのおじさんにおだてられて、ついつい2、3本買ったときもありました。
ある時、県外から来たおばさんがボタンの苗を持って売りに来ました。「2本以上買ってくださったらお安くしますよ」と言われて、3色のボタンの苗を買いました。
今も咲き誇るボタンの花に……
その後数年してから、毎年大きな花を咲かせてくれます。そのたびに昔はのどかでよかったなあと昔を懐かしく思い出します。
何もかも便利になりはしたが、職場から余裕がなくなってしまったように思う。そう言えば、放課後になると、職員室からギターの音と共に若い女性教員の歌が聞こえてくるというようなこともありました。
今ならとても信じられないような状況でした。また、部活動で遅くなると先輩達が「時間があるならつきあってくれる?」と食事や酒に誘ってくれました。
職場にはこうしたのどかな空気が流れていましたが、多くの教員は「やるときはやる」という気構えを持っており、仕事には真剣に取り組んでいたように思われます。
時代が進むということは、必ずしも進歩を表すのではなく、かえって世の中を味気ないものにしていくようです。余裕を失った社会からは、活力が生まれないような気がしています。
(日記:午前中コンサートの切符を買いに福井へ。例によって本屋へ立ち寄る。午後は、車庫の整理。廃棄物を処理場へ運ぶ。)