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「歳の市」に思う

31 1月

「歳の市」の開催時期
「歳の市」は現在、1月の最終日曜日に行われている。しかし、「歳の市」本来の意味を考えるとこの時期でよいのだろうか?

私たちの子供時代は、正月と言えば「旧正月」だった。ご馳走を作ったり、餅をついたりしたのもすべて2月1日の旧正月だった。

昭和の中頃の歳の市。臼を品定めする人たち。

昭和の中頃の歳の市。臼を品定めする人たち。

ちょうど、今でも、私たちの地区では、お盆や七夕は旧の8月に行っている。しかし、正月の諸行事は、そのうちに、1月1日に移り変わっていった。

しかし、お盆の種々の行事や祭りは、8月に行っている場合が少なくない。企業の休みもこの旧のお盆前後になっている場合が多い。しかし、正月は完全に1月になっている。

勝山の「歳の市」は、正月に向けてのものだった。正月に必要な神仏の縁起物・食品・道具などを 近郷近在の農家が、自分で作り、それを販売したものだ。

しかし、時代が進むと共に、旧正月を祝う習慣はなくなり、正月と言えば、ほとんど1月1日になってしまった。企業の長期休暇もまた同様である。

昭和の歳の市。下駄やわら製品が見られる。写真提供:勝山朝日印刷所

昭和の歳の市。下駄やわら製品が見られる。写真提供:勝山朝日印刷所

そうなると、正月に帰省する子供や孫達にご馳走を用意したり、新年に向けて種々の道具を新調したりするのは、1月よりも12月の方がふさわしいのではなかろうか。

今は、本来の「歳の市」の意味が薄れ、単なるイベントになってしまっているようだ。だからといって、この「歳の市」を12月に移した方がよいと言っているのではない。

新たに、正月に向けた本来の意味の「歳の市」(名前は別の物でもよい)があってもよいのではないかと思っている。「うまいもん市」が二度あるように。

・正月に帰省する子供達のための郷土色豊かな「ご馳走」
・正月の縁起物や飾り物
・正月向けの手作り玩具類(木や竹で作ったもの)
・正月を機会に新調したい道具類
・農作業に使う各種道具
・漬け物などの食材

本番の舞台となる鹿谷小学校の体育館でリハーサルするご婦人達。だいぶ上達したようだ。

本番の舞台となる鹿谷小学校の体育館でリハーサルするご婦人達。だいぶ上達したようだ。

を販売する「市」があってもよいのでないかと仲間内には話しているのだが、いつか実現してみたいものだろうか。これなら、子供や孫達のためにも買っておきたいと思う人は少なくないのではなかろうか。これこそが本来の「歳の市」だと思っている。

 

鹿谷小学校からの帰りに見た白山。とても神々しかった。

鹿谷小学校からの帰りに見た白山。とても神々しかった。

 
 

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