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統治機構の欠点

25 8月

指導者の責任
  午前中、体調不良のため何気なくテレビを見ていたら、NHKBS3チャンネルで『零戦』について番組を放映していた。途中から見ることになった。

 一時期、米軍機より性能のよかった零戦だが、その後アメリカは新型機を開発した。新型の米軍機は零戦よりもはるかに性能がよく、守備にも強かった。現場から零戦の改造の要求があったが、退けられた。

 撃墜される零戦が増加し、最後には、空中戦で戦うのが無理な状況になっていった。そして、爆弾を積んで敵艦に体当たりする神風特攻隊が多くの日本の若者の命を犠牲にしていった。

 誠に悲惨な状況だった。20歳に満たない若者が米戦艦に体当たりする姿は戦争の悲惨さを象徴する何ものでもなかったように思う。人も爆弾の一部として扱われたようなものだ。 
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  番組を途中で見たのでその後、以前に録画しておいたNHKスペシャル『終戦 なぜ早く決められなかったのか』を見た。

 敗戦から68年を迎える太平洋戦争。その犠牲者が急激に増加したのは、戦争末期だったという。勝敗はとっくに決していたにもかかわらず、なぜもっと早く戦争を終えることができなかっただろうか。

  戦争末期の日本の歴史観を塗り替える貴重な資料が、第二次世界大戦当時の機密書類が保管されているイギリス国立公文図書館の資料の中に残されていたのだ。

  日本のヨーロッパ駐在武官が東京 に送った暗号電報だった。その中には、当時の日本政府が知らなかったとされる「ヤルタ会談でソ連は対日参戦を約束した」との情報が書かれていたというのだ。

 会談で、アメリカ・イギリス・ソ連の間で密約の形で取り決められていたため、この情報を事前に日本が掴んでいたら、終戦はもっと早かったと言われている。実は、日本の上層部はこの情報をつかんでいたのだ。

  その上、強硬に戦争継続を訴えていた軍が、内心では米軍との本土決戦能力を不十分と認識し、戦争の早期終結の道を探ろうとしていたことがわかってきたのである。

  1日でも早く戦いを終える素地は充分に出そろっていながら、そのチャンスは活かされていなかったのである。もしもそれらの情報が生かされていれば、日本各地への爆撃、広島・長崎の原爆、シベリア抑留などが避けられ、三〇〇万近くの尊い命が救われたのではなかろうか。

 日本の統治機構の欠陥が大切な情報を生かせなかったという。国の指導者の決断は重い。経済だけで国会議員を選んでもよいものか。選ばれたからには、自ら率先してこの国のために働いてもらいたい。

 今日の福井新聞の一面は『集団的自衛権へ新法』である。特に若者達にこの国の政治や行く末に関心を持ってもらいたいと思う。

(日記 終日、自宅で過ごす。終戦時のテレビを見て悲しくなると同時に腹立たしくなる。情報を分析し、これらをもとに正しい判断のできる国の指導者が望まれる。戦争継続かどうかを判断していた軍部や国の責任者の中では重要な情報は隠され、内心は戦争を止めたいと思っていても、そのように発言できなかったようだ。統治機構の欠陥と、彼らに真の勇気がなかったのではなかろうか。まだ、戦争の総括はなされていないのだそうだ。福島原発の総括がなされていない。高校では、現代史はあまり熱心に教えられていないのでは……。)

 
 

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