バランスが欠けていては
世の中にはバランスが必要だと思っている。個人であれ、団体であれ、地域であれ、国家であれ、……。
一人の人間においてもバランスは必要だと思っている。「私は理系だ……」とか「私は文系だ……」という人がいるが、一人の人間の中にどちらも必要ではなかろうか。理系の学問をする人でも、どこかで文系的な思考が必要になろうし、その逆もあり得る。
“ワーク・アンド・ライフ”バランスと言う言葉があるが、働くことと日頃の生活のバランスがとれていなければならないように思う。人間は、働く機械ではないのだから。
「生きるためには、生活が多少犠牲にしても仕方ない」という仕事優先の生活を送っている人は少なくないだろう。しかし、「仕事(ワーク)と生活(ライフ)のバランスがとれている方が、仕事にも好影響があるように思われる。
特に、高齢化社会になった現代こそ、すべての人にワーク・アンド・ライフバランスが必要だと思う。
政治の世界でも、与党と野党のバランスは必要だと考えている。一強多弱と言われる今の政治の世界は、決めるという点ではメリットがあるだろうが、民意を汲み取る力に欠けるのではなかろうか。
今の世界情勢を見ていると、結局は力が幅をきかせているように思えてならない。軍事力、経済力……。力が幅をきかす世界では当分の間はテロのような問題が後を絶たないのではないかと気にかかる。力に対して文化の力で、世界の人たちが共存できないのだろうか。
勝つか負けるか、持っているかいないか、効率がよいか悪いか、といった価値観だけではなく、人間として心地よく感じるものにも価値を見いだすことのできる生き方をしたいものである。
バランス
02
1月