八十八の手間
米という字は、八十八と書く。米作りには、たくさんの手間がかかるということだ。私の子供の頃と今の米作りを比べたら、今は20種類の手間しかかからないのではなかろうかと思ってしまう。
全て機械化されたからだ。昔の作業で思い出すのは、草取りではなかろうか。「結」をしながら隣近所が助け合い、大きな田んぼに入って話をしながら作業に励んだものだ。
早朝からの作業のために、途中で休憩になるが、ここでは朴葉で包んだ黄な粉のおにぎりがその日の田んぼの持ち主から出された。黄な粉には甘さの中に、わずかな塩分があり、疲れた身体にはぴったりの食べ物だった。
おかずとしては、自家製のたくあんや蕗やワラビの煮物があったと思う。子供心に美味しかったことを覚えている。今は、法人では一斉にヒエ取りをすることがあるが、途中で出されるのはジュースやパンや菓子だ。
昔、手間暇をかけて作ったものは、全て廃止され、コンビニなどの食品で代用されるようになった。人も、機械の一部のごとく、時給いくらで、働くのだ。
我が家の田んぼにも、「クサネム」やヒエが生えている。炎天下でこれを取るのは重労働だ。熱中症になりかねない。今日は、家内と早朝1時間「ヒエ取り」作業をした。
そして、夕方も、涼しくなってから、家内はヒエ取り、私は、畦草刈を行った。自分のペースでこまめに休息を取りながら、作業をした。この除草のために「除草剤を使うが、水管理が悪いからか、「ヒエ」や「クサネム」が生えて困る。
文明が進み、機械化されても、この除草作業だけはなくならない。何とかしなければと思う。作業の回数などは、昔と比べると激減しているがそれでも、炎天下での作業は激務だ。
(日記 朝バナナ1本を食べて、家内と二人でヒエ取り作業。1時間ちょっと作業をして帰宅。シャワーをして、紙芝居の脚本作りや絵の手直し。午後も紙芝居作業を継続。夕方、涼しくなってから、再び田んぼで私は草刈り機で除草。家内は、田んぼへ入ってヒエ取り。体調不十分だが、“やるべきことはやらねばならぬ”。早く涼しくなってほしい。)