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一億総幼児化

27 3月

一億総白痴化から次の展開
  「一億総白痴化」は、評論家の大宅壮一が生み出した流行語である。テレビの普及に当たり、「テレビというメディアは非常に低俗なものであり、テレビばかり見ていると、人間の想像力や思考力が低下し、国民が皆白痴になる」というものだ。

  こうしたテレビの番組の傾向は、かならずしも外れてはいない。テレビの番組の全てがこのようなものではないが、かなり低俗な番組は多いように思う。

  私は「ゲーム機やスマートフォンによる種々のゲームや漫画などの普及で、多くの人がどこにいても、ゲームをしたり漫画を手にする環境ができ、社会に関心を持つよりもこれらに没頭する子供のような大人が増える」と思っている。

  これを、警告する意味でも「一億総幼児化」と称したわけだが、大人になりきれない大人が増えていきそうだ。地区の子どもたちを見ていても、ゲームを手放せない者が増えているように思う。

  ゲームに没頭するだけではなく、青少年がこのような機器や漫画などに多くの時間を取られることの方が問題だと思っている。「消費的」に時間を使う機会が増えると、必然的に、「生産的」に時間を使う時間が減少する。

  バーチャルな世界とリアルな世界が混同し、様々な事件や事故が発生しないかと心配である。ゲームの世界では、人を殺すことは当たり前である。武器を使うことも当たり前である。バーチャルな世界にのめり込むことは楽しいことかもしれない。

 様々なゲームや遊びなどを考える世の大人達は、言い方を変えれば、子どもたちに貴重な自由時間を盗む「時間泥棒」であると言えなくもない。選択能力のない子どもたちは、有限な自由時間のほとんどをこれらに奪われているように思う。

  こうして、様々な実体験の不足した子供が大人になったとき、今のような競争の激しい世の中では生き抜きにくいのではなかろうか。壁を乗り切る精神も技術も体験も身に付ける機会を逃してしまっているからである。

  「一億総幼児化」が現実にならなければよいが。せめてゲームや漫画の時間を少し減らして新聞ぐらいは読んでほしいと思う。文科省も心配になったのか、教育に新聞を活用しようとしている理由も分かる。

(日記 午前中は、福井の病院で2ヶ月に一度の定期検診。毎回思うが、試験の成績をもらう学生のような気分だ。わずかだが結果がよかったのでほっとした。午後は、明日発行の『かたせ瓦版』の今年度最後の編集作業。珍しく一日前に完成した。)

 
 

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