畑専用の場所は、大人にとっても子供にとっても交流の場であった。その後、この地域は、工場誘致で売り渡すことになった。我が家のこの場所には畑と共に、大きな柿の木もあった。
こうして、村の畑が集中していた場所は、工場や福祉施設ができてなくなってしまった。それからはみんなが集まる出会いの場所はなくなった。
数年前に、農業の後継者不足から村で『農業組合法人かたせ』が発足した。それと同時に、組合が、集中的に野菜の作れる場所を確保するために、沢山の畝を準備して組合員へ貸し出すことにした。
私も、今年からこの場所で2畝を借りて、村の特産物である里芋とショウガを作っている。夕方、この場所へ来て作業を始めた。
周囲を見ると、午前中、ゲートボールをしていたTさんとMさんも来ていた。他にも、何人かがこの場所へ来ていた。普段滅多に話さなかった人達とこの場所では、挨拶だけではなく、いろんな話をするようになった。
早々と、二人の人が大根や白菜などを育てる場所を作っていた。また、水をやっている人などいろんな人がいた。私は、里芋の余分な茎を切り落とす作業を行った。また、ショウガに切り藁をまいた。
他人と作物のできを比べられることはあるが、それ以上に、この場所へ来ると、いろんな会話ができ、時間がゆったりと流れているように感ずる。昔の畑作の場所はなくなったが、今風の畑作の場所が組合のおかげでできた。一人でも多くの人が利用することを期待したい。
(日記 午前中、ゲートボール大会。我がチームは2戦2敗。午前11時半より近くの飲み屋で反省会。生ビールを飲みながら、3時間交流を深める。帰宅して昼寝。夕方、家庭菜園へ出かけてポンプで川から畑に水を汲み上げた。晴れが続いて如雨露や水道では追いつかない。その後、法人から借りている畑のショウガに切り藁をまき、里芋の余分な茎を切る作業を行った。汗びっしょりになった。それでも気持ちがよかった。)