筑波万博の「一万個のトマト」
筑波万博では、一本のトマトの苗から一万個のトマトを実らせたことが話題になりました。こののトマトは、特別なトマトかというとそうではありません。バイオ技術も一切使われていなかったのです。
普通の栽培と違うのは、水耕栽培だったということです。太陽の光と、栄養分を含んだ水だけで育てたということです。
普通ならば、せいぜい数十個しか実らない一本のトマトの苗から今や一万数千個までは実らせているのです。二万個ももうすぐ実現するのではないかと思っています。
「植物は、土の中で根を伸ばすために、潜在的な成長力を十分発揮することができないというのです。そこで、水の中なら思う存分に根を伸ばすことができるということなのです。
それぞれの生命体は、計り知れない潜在能力を持っているのですが、その生命体の置かれた環境によってその能力を十分に発揮できずにいることが多いのです。
しかし、長年の間には、それらの環境を克服して、極寒の地で生きるもの、酷暑の中で生きるもの、深海で生きるもの、高山で生きるものなど、様々な状況に順応して生き抜いているのです。
信じたい人間の可能性
これは人間も同じで、周囲の環境が成長に大きく影響しているのです。一つ気がかりなことは、それぞれの人間が持つ潜在能力を、進歩した今の社会の環境が阻害しているのではないかということです。
文明の利器が、子ども達から創造性や思考力を奪い取ることのないように私達大人は気を配らなければならないと思っています。
トマトを例に取れば、必要以上に栄養分を与えたり、偏った栄養分を与えていては、トマト自身の持つ潜在能力を十分に発揮させることができません。一万個どころか自分の身体を維持することもできないかも知れません。
成功者は、「トマトに聞け」ということになるのです。「トマトが何を要求しているのか」を考え、甘やかすことなく、突き放すことなく、トマトの持つ力を信じることが大切なんだそうです。
モノが十分になかった時代に育った子ども達の方が生命力があるように思われます。トマトから学ぶことは多いモノです。
子育てにおいても、よかれと思って買い与えたモノが子ども達の成長を阻害している場合が多いということ心しなければなりません。
トマトに無限の可能性があるように、人間にも無限の可能性があるということを信じて、何をどうすればよいかを考えたいものです。次代を担う子ども達、孫達のために……。
※ インターネットで「一万個のトマト」と入力して検索してみてください。画像でも検索していただくとよいと思います。
(日記:午前中は、パソコンで画像スキャナー。午後は、庭の草取りなど。)