一台、また一台とスクールバスがジオアリーナを回って地下通路の入り口へ向かっていく。バスの中からは、中学生、高校生が次々と降り、無口で地下通路を降りていく。
時間に遅れまいとするが、先を急ぐことはできない。通路の土足帯は二人が並んで歩くだけの幅しかない。何か用事で先を急ぎたい生徒は、ついつい土足のまま上履き帯を歩いて、先を行く者を追い越さなければならない。
みな、無口で地下通路を通り校舎へ急ぐ。中学校1,2年生の生徒達は時々駆け足を交えながら、前を行く高校生に遅れまいと先を急ぐ。毎日、通学時間帯に起こる登校風景である。
地下通路入り口では、次々とバスが地下通路へ到着するが、先行するバスが全ての生徒を下ろさなければ、次のバ スは停車位置へはたどり着けない。バス通学生だけでも、約300名ほどの生徒がいるので、混雑は避けれれない。
一方、保護者の車で送られてきた生徒も大変である。ジオアリーナの駐車場へ入るためには、交差点で信号待ちをしなければならない。一度の青信号でジオアリーナ方向へ曲がれればラッキーである。大概は、走破できない。
そして、なんとか駐車場へ入れれば、車を降りるやいなやジオアリーナの横を通って、地下通路の入り口まで足早に地下通路へ向かって急がなければならない。
バスが入ってきたり、保護者送迎の車を避けながらの移動は毎朝大変である。その上、雨や雪が降ったら大変である。地下通路へ入るまでに身体や靴が濡れると、いきなり階段を降りるときに滑ったりする危険があるからだ。
バスを降りた生徒達と、保護者に送ってもらった約200名あまりの生徒が、毎朝地下通路で出会うので、どちらが先に通路へ入るかでも気を遣う。誰も通行整理をしてくれないので、中学生はどうしても高校生に先をゆずりがちになる。
こうした、事態を避けるため、中学生や高校生の一部が、決められたジオアリーナの駐車場で保護者の車を降りるのではなく、併設前のように、長山付近で車を降りたり、特別支援学校周辺で車を降りることが当たり前になっている。
そのため、学校周辺に住む人たちの車と出くわすことが多くなり、危険だと指摘される。結局、学校の先生や保護者がそうした生徒の指導をしなければならない。また、交通整理をしなければならない事態が生じている。
とにかく中高生徒の半数あまりが、国道を横断して地下通路を通らなければ学校へ入れないというのが、今の再編計画だ。高校生には、それまでよりも、登校がかなり大変になってしまうというのが中高併設による大きな変化だ。
この先もずっと、このような事態が生じるのかとうんざりしてくる。……と、こんなことが起こらなければよいのだが……。まだまだ、課題の多い中学校再編計画ではある。