現場感覚を持ってほしい
私は、政治に関する番組をよく聞く。衆参の予算委員会などの国会討論などだ。そんな中で、「選挙のためなら何でもする◎党には絶対負けません!」とおっしゃる有名な政治家がおられる。
これって与党が言っているのか、野党が言っているのか。実は、両者が言い合っているのだ。国民は知っている。うまく理論付けをするがどっちもどっちだと思う。
政治家の皆さんのやりとりを聞いていると「現場感覚がない」のではと思うことが少なくない。市民感覚がないともいえる。机上の空論が多過ぎはしないだろうか。
「保育園落ちた。日本死ね」のメール問題のやりとりも、テレビでライブで見ていた。この問題では保育園の数や保育士の待遇の問題など、様々な問題があるのだろうが、一番の問題は保育の現場を知らないことではなかろうか?
仰々しく現場視察をして何がわかるのだろうか。せめて、政策を提言する省庁の皆さんには、若いうちに一週間ほど、現場の保育士さんと一緒に働いてみたらどうだろうか。きっと、何が問題かがわかるはずだと思う。
あるときテレビを見ていたら、戦場カメラマンが「なぜ戦場へ向かうのか」とのキャスターの質問に「戦争の現場を知らない人があれこれ東京で議論している。こうした人たちに戦場の本当の姿を伝えたい。」と答えておられたのが印象的だった。
農業問題も同じ。政治家の皆さんに田んぼへ入れとは言わないが、役人さんには、過疎の村で獣害に遭いながら必死に農業をしておられる皆さんと1週間ぐらい一緒に働いてみてはどうだろうか?基盤整備された田んぼばかりではないのだ。皆都会へ出て行って残された高齢者が山にへばりつくような条件の悪い農地で頑張っておられるのだ。健康を害する人も少なくないだろう。
もっともっと、現場を知っていただきたい。短時間の視察では現場はわからない。一定期間、一緒に暮らさなければ現場はわからない。これは、教育の世界でも同じであろう。子供の、クラス生活空間が今どう変わってきているのか、世の中の変化とどうつながっているのかを知らなければ血のつながった始動はできないのではなかろうか?