農耕馬を使った作業
農業に馬を使っていたということを、今の若い人たちはほとんど知らないのではなかろうか。昭和も中盤から後半になると、機械化が進み、馬や牛を使うことがなくなっていったのだ。
私は、我が家の馬の世話をした世代だ。馬の餌を作るのは私の役割だった。二階に保管してある藁を切り、豆殻や米糠を混ぜ、米のとぎ汁などを加えて馬に与えたのだ。生き物だけに手抜きはできなかった。
今も、村の中には当時の馬具を保管してある家がある。我が家にも「馬鍬(当時“まんが”と呼んでいた)」がある。今回は、手作りの馬に、実物の「馬鍬」を改造したものを使って芸をするつもりだ。
我が片瀬の『豊年ばやし』には、こうした昭和時代の農作業を挿入芸として取り入れていきたいと思っている。私たちが子どもの頃に行われてきた農作業が忘れ去られる前に、何らかの形で残していくのは私たちの役目だと思っている。
とは言うものの、これらを芸として豊年ばやしに取り込むのにはそれなりの努力が必要だ。馬役のメンバー(前足・後ろ足)と「馬鍬」の使い手の呼吸を合わせるのは簡単ではない。練習あるのみだ。
(日記 午前中は馬の調整。そして午後は数学。午後7時からは明日の木田神社での演技のための最終練習。時間がどれだけあっても足りないくらいだ。外国人英語指導助手のジョスリンさんが練習を見にやってきた。彼女もこれらの芸に興味があるようだった。)