歌謡浪曲 龍馬
幕末青春記 龍馬(歌謡浪曲)
歌 旭 義明
作詞/作曲/編曲/吹き込み いなか もん
一、 土佐の城下は 俺には狭い
人に上下は あってはならぬ
剣に命を かけてはみたが
古い日本は 変えられぬ
姉貴 見てくれ
俺はやる この国を 洗濯する
土佐の国では 郷士の龍馬
殿に目通り 叶わない
そんな男が 訪ねて福井
御三家に次ぐ 春嶽侯に
五千両もの 大金を
貸してほしいと 願うとは
これは正気の 沙汰じゃない
言いも言ったり 聞くも聞いたり
越前福井の 惷嶽候は
諸侯の中でも 秀才の
誉れが高く 人望があり
時勢読む目が 備わって
「天下のためなら 我が藩の 存亡もいとわぬ」
顔に似合わぬ 度胸よさ
春嶽「竜馬よ、昨夜は当家の三岡に大法螺を吹いたそうじゃな」
龍馬「いえいえそうではありませぬ。持論を申し上げたまででございます」
春嶽「お主にはたまげた」
龍馬「有り難き幸せに存じます。儲けは真っ先に、お殿様のもとへ、持って
まいりますきに!」
かたや天下の 春嶽侯で
こなた土佐藩 脱藩浪人
男同志の 約束は
身分を越えて 実を結ぶ
二、 藩と藩とが 争う時期(とき)か
お家大事は わかりもするが
周り見渡せ 虎視眈々と
迫る異国が 見えぬのか
俺は 守るぞ
父母の国 きみの国 命かけて
欧米列強 軍艦(ふね)押し立てて
アジア諸国に 次々迫る
時代読めない 幕府には
この難局は 任せておけぬ
薩摩・長州 手を結ばせて
国の舵取り しなけりゃならぬ
桂・西郷 わかってくれと
願う龍馬の 血がたぎる
龍馬「西郷どん、今大切ながは、この日本を変えることじゃないがか?薩摩 と長州が手を組んで、この国を変えることじゃないがか!我ら土佐人 を見てくれ。藩からの保護を受けるどころか、かえって迫害されなが らも、日本のためを思うて、命がけで行動しゆう。
分かっていながら自ら口を切れぬ桂さんの立場を、汲んでやってはい
ただけぬか!」
西郷「お前(は)んの言うとおりでごわす。薩長連合のことは、我が藩から
切り出し申そ。」
さすがは 薩摩を 背負った男
藩の面子に こだわるよりも
先ずは日本を 変えねばと
龍馬の提案 呑み込んだ
龍馬「天下の大事は成ったー」
行く手さえぎる 壁また壁を
一つ二つと 乗り越え進む
事を為すのが 生き甲斐と
龍馬は苦労を 楽しむように
三、 狭い了見 かなぐり捨てて
恨み乗り越え 手を取る時だ
国をまとめて 一つにしたら
後はまかせて 俺は行く
明日は 乗り出す
船の上 波の上 夢を求め
※ 土佐弁につきましては、坂本龍馬記念館の学芸員さんからアドバイスをいただきました。